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2015年01月24日12:44

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深作欣二監督の「蒲田行進曲」をみて


bowyow cine-archives vol.760


 冒頭、人気スタア銀ちゃん役の風間杜夫を柱に映画は猛烈な勢いで突っ走る。その激烈なスピードこそこの映画の命だ。銀ちゃんによろこんで犯される小夏(松坂慶子)のやわらかく白い肌はこの国の青春の儚い記念碑だ。

 その銀ちゃんが次第に沈むのと入れ替わりに、怒涛の存在感を示すのは、銀ちゃんが捨てた女小夏を押しつけられた売れない大部屋スタントマンのヤス(平田満)なりい。

 あの有名な地獄の階段落ちを敢行した血まみれのヤスが、ふたたび階段を這い上ろうとするとき、大部屋仲間のみならず銀ちゃんまでもが「ぐあんばれヤス!」と絶叫するのだが、その大合唱は、なぜか階層2極化の最底辺に呻吟するルンペンプロレタリアートへの魂の応援歌に聴こえてならないのである。


   夕されば大きな猪も現れてハンター色めく鎌倉の正月 蝶人

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