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2015年01月22日19:31

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気儘徒然句鑑賞八


風呂敷の四隅とりあげ四面楚歌(村木佐紀夫)

 「もとの会」解散となってから、句会報に書いていた村木佐紀夫の句鑑賞は途切れていた。途切れ途切れではあっても、鑑賞は行いたい。したがって、このシリーズで気の向いたときに随時挿入する。

 四隅をいちどきにつまんで風呂敷をくくることはないだろうから、中七の言い回しは省略を利かせた語法。そこから四面楚歌が一気に吹き出す。
 といっても、どちらを向いても嫌なことばかりでお先真っ暗というような心象の表出ではなく、いやそれも多少あるのかもしれないが、どちらかといえば風呂敷に包まれる物に対して親しみ込めて、あんたの周りは敵ばかりだよと、からかい気味につぶやいている場面が想像される。
 思えば風呂敷ののっぺらぼうの平面は、巧まざるユーモアを醸し出しているのかも。

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