Fate/Prototype１・２／桜井光

　さすがに外伝の外伝(というのも正確じゃなかろうが)までつきあえるかー、とスルーしてたけどFakeの方とも絡んできたので買ってきた。・・・これ、結局芋蔓式に関連作網羅せざるを得ないんじゃ。型月道って怖い。
　ボリューム的には１・２巻すぐに一気読みできる程度だが、切り口は斬新。いい加減やり尽くされた感ある「聖杯戦争」だが、カットバックを多用する語り口の工夫と、なによりサーバント以上に超絶強力なマスターの無双っぷりを中心に据えていて、マンネリ感をみごとに払拭している。というか、超強くて超善悪のタガがぶっ壊れた美少女大魔道士(大魔王？)とか、好み過ぎて困る。あと、そういう難儀なマスターに屈従してる金髪美形騎士、というセイバー＝アーサー王(男)という立ち位置もすごく美味しい。また、本伝ではあまり描かれてない魔術師の親子関係、家庭環境が描かれるのもひそかな注目ポイントではある。魔術刻印を代々血統で伝えていくんじゃ、言ってもそうそう人間性捨てられないよなぁ、この世界の魔術師・・・、という悲哀。