mixiユーザー(id:60260068)

2013年12月18日17:05

5 view

『異国』〜返詩で繋ぐ詩集より〜


目に映るそれぞれがたがいに
異国の民であるかのように
異教徒であるかのように
外と内をへだてる皮膚を開くことなく
手に掴んだ棒で気づかぬ様に相手を確かめ
指先を背中のポケットに仕舞いこんでいる

どこまで行っても外は外でしかありえず
目には映画のストーリーが映っている

交差点にとまる車の前を平然と渡るとき
病院の白いシーツに横たわるとき
突然点された強いライトに
儚い命を映す一瞬の未来を
沿道の花壇がささやく声を退けるように
平らな地面の上で規則正しく
ピカピカに磨かれた靴を明日に運んでいる




0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する