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2013年12月15日00:39

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『恋の燃焼』


恋には幾つかの筋書があって、そこに自分が乗った際、ハッピーエンドまで漕ぎ着けるかどうか、という想定を少なからず行う。途中で燃料が切れないように、座礁しないようにと、道筋を下見しながら、伸るか反るかの行動に移す。座礁した場合、大概助け船は来ない。そのため恋の告白は無謀な行為であるといえる。


 突っ走る先に貴女が見える
 貴女には私が見えないだろう
 狭い路地を全速力で突っきり
 擦り傷だらけで貴女の前へ飛び出る


女の勘は鋭いと言われる。感づいていても、ビックリの表情を浮かべ、頬を赤らめるか、困惑の表情を隠しながら、引導を渡す。その前後で関係は激変する。


 100円ライターで俺に火をつけて
 跡形がなくなるまで見届けてくれ


恋とはエゴなのである。受け入れられないとしても、いつまでも自分を「見て欲しい」のだ。ただ、少しの愛情はあったのだとさえ信じて、恋は、死、に至り、


 過去の影が広場の木陰にまぎれる
 残骸は灰になり見えなくなった
 ただ、
 年老いた男の瞼に
 今も美しい花びらが散る
 





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