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2013年12月14日04:31

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『染み』〜返詩で繋ぐ詩集より



すべて消え去るのですか


注ぎ続けた愛を上がらぬ腕で
ハンガーに掛け、皺をのばして
ソファーから眺めてみる

蛍光灯が目に沁みて
痛みにつられて涙がとまらない

天井の歴史が冬のそらに見えて
底冷えの爪先がかじかむ



雪は忍び足で降りはじめる


手のひらの温もりに形はゆるみ
もの音を立てず

透明になる
広がる
見えるのは、ただ、
自分の手の皺ばかり

指の隙間からこぼれた滴は
床にいつまでも染みを遺して






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