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2026年04月29日21:53

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「ハムネット」

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数年前に北アイルランドの作家マギー・オファーレルが書いた本「ハムネット」を読んだ時から、映画化されると知って楽しみに待っていました。

18歳のラテン語教師のウイル・シェイクスピア(ポール・メスカル)は、森の動物や植物と交流し、ある種の霊能力を携え、魔女とも噂される個性的な女性アグネス(ジェシー・バックリー)と恋に落ちる。
歴史上、“未来の大劇作家を篭絡した8歳年上のしたたかな悪女”というイメージが定着しているアグネスは、ここでは感性豊かな女性として現れます。
二人は幸せな家庭を築きますが、一人息子のハムネット(当時はハムレットもハムネットも同音)が11歳の時、流行り病のペストで亡くしてしまう。
家族は深い悲しみに包まれ、アグネスは息子を救えなかった自分を責め、ずっとロンドン在住でその場にいなかったウイルを責め立てる。

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ウィルは少々情けない若者として描かれ、劇作家シェイクスピアという一面は中々出て来ないのですが、終盤、グローブ座での「ハムレット」の舞台でようやく本領発揮となります。
劇中のハムレットは毒を盛られて死ぬのですが、そのもだえ苦しむ場面で、最前列で観ていたアグネスは、思わず泣きながら役者に手を差し伸べる。
息子ハムネットが笑顔で別れを告げるシーンが、アグネスの中に再生される。
劇を観ることでアグネスが苦しみからほんの少し救われ、その劇を産み出したウイルを許した瞬間でした。

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この物語の舞台であるストラトフォード・アポン・エイヴォン、2009年に行きました。
ハーフティンバー様式の漆喰の壁に木枠の家が立ち並び、川にナローボートがのんびりと浮かぶ、小さな美しい町。
シェイクスピアの家にも行きましたが、その頃の街なかの様子、蝋燭の灯りだけの薄暗い夜の様子までは中々想像できないので、やはり映画はありがたい。
16世紀のグローブ座が、屋根のない立見席が中心であったこと、役者に手が伸ばせるくらい間近で観られたことも驚きでした。
グローブ座辺りの、”糞便の山があちこちにあり、路地の隙間で男女が交合している”という、猥雑極まりない原作の様子が映像に表れなかったのは、少々残念でしたが。

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(2009年、シェイクスピアの家)

アカデミー賞主演女優賞受賞というのが納得の、ジェシー・バックリーの熱演でした。
クロエ・ジャオ監督。
「ハムネット」公式HP https://hamnet-movie.jp/

原作の感想 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982111087&owner_id=547825&from=list_diary_search

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