今日は読売日本交響楽団の演奏会に行った。
プログラムは次のとおりである。
・モソロフ:交響的エピソード「鉄工場」
・モソロフ:ハープ協奏曲
・チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
会場:横浜みなとみらいホール (14:00 開演)
今回はあまり演奏機会が多いとは思えないモソロフの作品が聴けるので、行くことにしたものである。ハープ協奏曲はCDで聴いたのみであり、生で聴くのは初めてだ。「鉄工場」の生演奏は2回目くらいか。
まずは「鉄工場」からである。初めて聴いた時に「なんじゃこりゃ」という印象だったが、なぜかクセになってしまう曲である。3分ほどの短い曲だが、鉄工場の大音響を表現した曲で、トンテンカンギーギーガーガーと終始鳴り響く。まさにロシア・アバンギャルドの代表的作曲家の作品という感じである。こういうのは生演奏で聴いてこそ面白いと思う。
続いてはハープ協奏曲である。「鉄工場」と同じ作曲家の作品とは思えないほど、雰囲気が違う。これは、当時のソ連を考えれば想像できるように、モソロフにもいろいろと圧力がかかり、保守的な作風への転換を余儀なくされたという事情もあるようだ。やや長めの第1楽章のあとは、ノクターン、ガヴォット、トッカータと3つの楽章が続き、古典的な雰囲気もあり、「アバンギャルドはどこへ行ったの?」というようなロマンティックな美しい音楽で、分かりやすい旋律とハープの音色が織り成す素敵な曲であることには違いない。
このあとは、ハープ独奏によるアンコール演奏があった。知らない曲だったが、でもどこかで聴いたことあるような気もするような素敵な曲は、ゴドフロアという作曲家の「ヴェニスの謝肉祭」であることを終演後に知った。うっとりするような素敵なハープだった。
休憩のあとはチャイコフスキーの「悲愴」だ。これまで何度聴いたか分からない超有名曲だ。演奏会も、たまたま「聴きたい曲+悲愴」という組み合わせになることが多い。今回もそうなので気楽に聴いていこうと思っていたら、これが実に劇的な素晴らしい演奏であった。不安気な冒頭に始まり、途中は大いに盛り上げて、第3楽章の終わりでクライマックスを迎えると、間髪入れずに第4楽章に突入し、どん底に突き落とす。第4楽章の最後の音が消えても10秒くらい静まり返っていた。最後に全休符の小節があるので、音が消えた瞬間が曲の終わりではないのだが、それにしても指揮者が手を下ろしたままなのに長い静寂があったのだ。そして、ようやく会場が拍手に包まれた。これが「悲愴」なのだと感動してしまった次第である。
今日も素敵な演奏会であった。
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