mixiユーザー(id:12784286)

2025年09月26日23:27

110 view

【音楽】 山田磨依ピアノ・リサイタル @渋谷

今宵は渋谷に、山田磨依ピアノ・リサイタルを聴きにいった。
プログラムは次のとおりである。

 ・ピットフィールド:3つのバガテル
 ・デルヴァンクール:クロカンブッシュ
 ・ダマーズ:間奏曲
 ・ダマーズ:主題と変奏

   ピアノ:山田磨依
   会場:渋谷ホール (19:00 開演)

山田磨依リサイタルに行くのは今年3回目である。地方公演は別にして、東京での演奏会はほぼ行っていると思う。それだけの価値があるピアニストである。今日は、前半は名前さえ初めて聞く作曲家だし、後半もお馴染みのダマーズとはいえ、たぶん初めて聴く作品だ。

ピットフィールドは、音楽活動だけでなく絵画や詩も手がけ、鳥類学者でもあるという、なかなかマルチな人だったらしい。ピットフィールドの描いた「白いコテージ」の絵がピアノの前に置かれ、それを見ながら演奏を聴く。初めて聴く作品だが、リズムが躍動するような楽しい曲で、聴いていて実に心地よかった。山田によれば、3曲のうち第3番は楽譜が未出版であったとのことで、問い合わせたら「では出版しましょう」となったらしい。楽譜が世に出てからのおそらく初演で、このように埋もれてしまいそうな素敵な曲を見出して演奏してくれるのも、素晴らしいことであると思う。

続いてはデルヴァンクールの「クロカンブッシュ」だが、山田によれば「演奏会で弾いた中でも、もっとも上品でない作品」らしい。この作品は12曲からなり、それぞれお菓子の名前のタイトルが付いている。順番に、「オムレット・オ・ラム」、「リンツァータルト」、「ロクム」、「グレナデン」、「メラング・ア・ラ・クレーム」、「プラム・プディング」、「ピュイ・ダムール」、「クロキニョル」、「ババ」、「ペ・ド・ノンヌ」、「ショコラ・シェミーズ」、「ユイル・ド・リサン」である。演奏前にそれぞれどんなお菓子かの解説があったが、私はほぼ知らないお菓子なので、あまりイメージが沸かない。ただ、曲はどれも面白く、硬いところは硬く、クリームのような柔らかいところは柔らかく演奏するようになっていたり、いろいろと遊び心も満載の楽しい作品集であった。お菓子のピアノ曲集といえば湯山昭の「お菓子の世界」くらいしか知らなかったが、新たな作品に出会えたわけである。

休憩のあとはダマーズである。2曲とも山田もまだ録音していない作品だが、パリ留学時から弾いている作品ということで、ずっと研究を重ねているという。「間奏曲」も「主題と変奏」も、技巧的には相当高度なものを要求されるが、技巧をひけらかすための曲ではなく、「そこに流れる美しさに気付いてほしい」ということであった。実際、「主題と変奏」の主題はきれいな旋律だと思ったし、13の変奏も変化に富みながら盛り上がっていく感じが素敵だった。超絶技巧曲なのだろうけども、それをあまり感じさせずに、聴いていてもスッと入ってくるような演奏であったと思う。

このあとはアンコール演奏が2曲。ここでも聴いたことがなかった素敵な作品を弾いてくれる。ミゴーの「デルフィニのために」の第2巻第2番と、トマジの「風景」より第2曲「森の陽だまり(夏の朝)」である。ミゴーは私としては馴染みのない作曲家だが、山田が最近はまっているそうで、今後のリサイタルでは演奏される曲もありそうだ。

終演後に軽く挨拶をして会場を出る。デルヴァンクールの作品説明の時に「ペ・ド・ノンヌ」については「ちょっとここでは言いにくいので...」と濁していたが、これはフランス語の pet de nonne の意味のとおりなので、終演後に「○の○○○でしょ?」と言ったら、「そう、だからあの場では言いにくいでしょ」ということであった。

山田磨依の演奏会は、単に珍しい曲を聴けるということだけではなく、作品へのリスペクトと、深い研究に基づく音一音に意味のある演奏を聴かせてくれるので、これからも何度も聴きに行くことだろう。

フォト
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年09月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930