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2025年02月16日20:38

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【音楽】 山田磨依ピアノ・リサイタル ~鳥の調べ

今日の午後は、世田谷区の経堂に山田磨依ピアノ・リサイタルを聴きに行った。 
プログラムは次のとおりである。

 ・シャラン:羽ばたき
 ・ベネット:「パートリッジ・パイ」第2巻第1曲「泳ぐ7羽の白鳥」
 ・トマジ:「風景」第1曲「海(かもめ)」
 ・デュティユー:ブラックバード
 ・スコット:「5つの詩」第5曲「天国−鳥」
 ・エマニュエル:ソナチネ第2番「田園風」
 ・ダマーズ:「おとぎ話」第7曲「青い鳥」
 ・ダマーズ:8つのエチュード第3番
 ・ダマーズ:「ダイヤモンドを噛む女」より自転車
 ・冨田一樹:Le jour de rien
 ・ディーリアス:春初めてのカッコウを聞いて (ブンク編)
 ・タンスマン:「子供のために」第3巻第2曲「小鳥」
 ・フランセ:巣から落ちた鳥
 ・サティ:「真夏の夜の夢のための5つのしかめ面」第2曲「幻想的な鳥」 (ミヨー編)
 ・デュボア:シロカツオドリ
 ・ブリッジ:「3つの抒情詩」第1曲「心の安らぎ」
 ・ボーエン:組曲第4番「かわいい組曲」

   ピアノ:山田磨依
   会場:C'est si bon響堂ホール (14:00 開演)

山田磨依は、ダマーズ作品をメインにフランスやイギリスの作曲家の作品を、あまり知られていないものも含めて積極的に取り上げているピアニストで、彼女の演奏会には何度も行っている。今日は「鳥の調べ」と題して、鳥にちなむピアノ曲を中心にした演奏会だ。今日初めて聴く曲の方が多く、個人的にも楽しみであった。

鳥といってもいろいろな鳥がいるわけで、お馴染みの鳥から、日本ではあまり見かけない鳥や、ファンタジーの世界の鳥まであり、多種多様な作品が楽しめる。最初のシャランの「羽ばたき」は愛らしい曲で、これはスズメの動きを表しているのだそうだ。ベネットの作品は白鳥、トマジの作品はカモメで、いずれも初めて聴く曲だが、聴いていてなんとなくイメージがわく。デュティユーの「ブラックバード」はクロウタドリのことなのだそうだが、私は鳥類に詳しくないので、どんな鳥が分からない。そのためなのかどうか、曲も独特の雰囲気を感じて、しかもなかなか良い曲だなと思った。

スコットの作品は標題に「天国」の文字があるとおり、どこか神秘的な感じがして、印象深い作品だった。エマニュエルのソナチネは、「うずら」、「夜啼きうぐいす」、「かっこう」の3つの楽章からなる。夜啼きうぐいすの啼き声は実際にtrillがかかったようなものとのことで、なるほどそれがピアノで再現されているのだと分かる。

前半の最後は山田磨依得意のダマーズ作品である。「青い鳥」はお馴染みのメーテルリンクの童話に基づく作品だ。そう、幸福は身近にあるのだ。そのあとは少しだけ鳥を離れるが、エチュード第3番も、左右の手を交互にしたりの超絶技巧曲だが、「鳥が舞うように華麗に左右の手を動かします」と鳥にこじつけつつも、さらりと弾いてしまうのはさすがである。疾走感が楽しい「自転車」で前半を締めくくる。

休憩のあとは、冨田一樹の作品だ。作品の標題を日本語に訳すと「何もない日」となるが、作曲者から山田磨依に謹呈された作品とのことで、「何もない日というのは、ダラダラ過ごすということではなく、じっくりと何かしてみたり、ちょっといいことがあるみたいな日」ということで、そんな雰囲気を漂わせる弾き方であったと思う。作曲者はそこまで考えてはいなかったみたいだが...

ディーリアスの「春初めてのカッコウを聞いて」はオーケストラでは聴いたことがあるが、ピアノ編曲版もなかなかいい感じである。タンスマンの「小鳥」は初めて聴くはずだが、聴いたことがあるような気がするほど耳に馴染んだ。もしかしたらどこかで聴いていたのかもしれない。

フランセの「巣から落ちた鳥」は、何かバタバタと慌てているような曲を予想していたら違っていた。ちょっとユーモラスな感じで面白かった。サティの「幻想的な鳥」は、なんとも不思議な感覚の曲で、終わり方も唐突で、なんだなんだという感じが、それもサティらしい(?)のだろうか。デュボアの「シロカツオドリ」は、これも馴染みのない鳥だが、なかなか激しい豪快な鳥らしく、曲も方もそんな感じで面白かった。

以上で「鳥」シリーズは一区切りで、このあとは「人間」になるが、その前に「心の安らぎ」で落ち着かされて、最後はボーエンの組曲で締める。

ひととおりプログラムが終わり、次回の演奏会のお知らせや発売予定のCDの宣伝などがあったあと、アンコール演奏で再び「鳥」が登場する。まずはデュボアの「小さいアヒルたち」、続いてシャランの「鳥と猫」である。「鳥と猫」は、猫が鳥を食うような恐ろしい曲なのかと思っていたら、全然違う平和な曲なのであった。最後は猫が取り残されてしまって終わるらしい。それならばと、最後の最後は残った猫のために、モーリスの「猫の思い出」から「やわらかな足取り」で締めた。

実に充実した演奏会で、鳥にちなんだピアノ曲もたくさんあることも認識したし、まだまだ知らない作品も多そうだ。日本初演となる作品もあるし、ここでしかほぼ聴く機会のない作品も多い。そんな素敵な作品に出会えるのも山田磨依リサイタルの魅力である。今日は寒さも和らぎ、暖かい一日だった。そんな日に素敵な演奏を聴けて、満足の午後だった。

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