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2022年01月07日20:29

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「物理学者のすごい思考法」 (橋本幸士著、インターナショナル新書)

超ひも理論や素粒子論を研究する理論物理学者の橋本氏の日常などを書いたエッセイ集のようだが、そこは物理学者、どんなものでもつい独特の視点で見てしまう。その「物理学的思考」も、子供には無視され、奥様にはあきれられる。こういうことは、おなじ理学系の私も、あるあると思い当たることがあって、読んでいてニヤリとしてしまうところが多い。子供の頃にノートに迷路を書いていたとか、私も全く同じことをしていたので、妙な親近感も沸いてしまった。傍から見れば奇人変人の集合のように見える物理学者の生態も、仲間うちでは普通のことなのである。


●「最終列車」 (原武史著、講談社)

日本政治思想史を専門とする原氏は、鉄道好きとしても有名だが、独自の鋭い視点で捉えており、そこが凡百のマニアとは違うところだ。鉄道は戦争や自然災害など、いくつかの危機を乗り越えてきたが、新たに疫病蔓延という前例のない危機を迎えている。そのことが鉄道という交通機関の本質をあぶり出したという。新幹線に代表されるように、東京と地方の往来は便利になったが、その一方で地方の切り捨てが行われている。豪華な観光列車に乗る富裕層、車内でスマホを握りしめている乗客、これでは漱石の「三四郎」のような、鉄道での見知らぬ人との出会いも生まれない。鉄道は公共性を失いつつあるが、取り戻すことができるのか。自らの体験も交えながら、鉄道を愛すればこその文章で綴ったエッセイ集である。


●「カムカムエヴリバディの平川唯一」 (平川洌著、PHP文庫)

昭和21年に始まったNHKラジオ英語会話番組は、「カムカム英語」と呼ばれ多くの人に親しまれた。その平川唯一氏の子息である平川洌氏による、平川唯一の人物伝である。故郷の岡山県津川村での幼年時代、ひょんなことからアメリカに渡ることになり、ワシントン州立大学を卒業するまでアメリカで生活。帰国後はNHKに入局、やがて「アメリカの空気」を伝えようと、それまでの英語講座とは全く違った独特のスタイルのラジオ講座を務めることになる。瞬く間に全国に聴取者が増え、多くの人に影響を受けた「カムカム英語」は、まさに戦後の日本に希望をもたらしたのである。当時を知らない私でも、♪Come, come, everybody. How do you do, and how are you ? は知っているぐらいだ。


●「世界は「e」でできている」 (金重明著、講談社ブルーバックス)

同じ超越数でも、πに比べると、一般にはやや馴染みが薄いように見える e だが、実はすごい数なのである。まずは指数関数に関わる、セッサと王の有名なエピソードから入り、「高利貸しの究極の夢」として登場してくる e。その e にまつわる確率の話、当たる確率
1/n のくじを n 回引いて全部外れな確率など、これが 1/e というわけで、こんなところにも e が出てくるのだ。微分しても変わらない関数にも e が出てくる。いろいろなところに e は関係してくるのだ。そして、「数学界の5人の戦士」、e、π、i、1、0、これらの関係を簡潔に示した、最も美しい数式であるオイラーの公式。最後は複雑系の話にまで及び、e とその周辺に関する話が満載の、数学好きには面白い本である。


●「廃線寸前!銚子電鉄」 (寺井広樹著、交通新聞社)

いつ廃線になってもおかしくない、零細ローカル私鉄の銚子電鉄。これまでなんども経営危機に陥った。鉄道事業は大赤字だが、タイ焼きやぬれ煎餅の販売がかろうじて経営を支えていた。竹本社長とこの本の著者の寺井氏がタグを組んでからは、さらにぶっ飛んだ企画が飛び出し、実践してしまう。経営がまずいので販売した「まずい棒」、経営状態がガッリガリなので販売したアイス「ガッリガリ君」など、自虐的なパロディ商品、さらに線路の石や犬釘まで販売してしまう。これらは意外と好調な売れ行きらしい。また、自虐的超C級映画「電車を止めるな!」まで、超低予算で作ってしまう。一見な突飛なアイデアも、絶対にあきらめないという精神から生まれたもので、おかげで今日も銚子電鉄は動いているのである。
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