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2021年02月18日19:53

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘的メモ

●「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」 (谷口義明著、光文社新書)

銀河の中心には必ずといっていいほどブラックホールがあり、しかも太陽の100万倍以上も質量がある「超大質量ブラックホール」である。そもそも、何故こんなブラックホールがあるのか、どのように発生し、どのように変化していったのかを、最新の研究成果も踏まえつつ、豊富なデータと写真を併用して、いくつかの仮説も含めて述べた本である。そして、標題にある「なぜ造ったのか」の答え。50億年後に太陽が死を迎え、1000億年後には「他の銀河」が見えなくなる。100兆年後にすべての恒星が消滅し、10^34年後には全ての原子が崩壊する。そして、重力的熱力学的死を迎え、超大質量ブラックホールの残骸だけが宇宙に散らばっている。これを見たら、かつては宇宙に物質があった美しい時代があったと気付くだろう。宇宙は、そのためにブラックホールを造ったのだという。


●「ケーキの切れない非行少年たち」 (宮口幸治著、新潮新書)

丸いケーキの絵を描いて、これを三等分せよといわれたら、普通は120度ずつに切り分けるだろう。ところが、非行少年といわれる人たちは、それが出来ないのである。普通の人なら何でもないことが出来ない。そのような「認知のゆがみ」が、非行の原因ともいえるのである。少年院にも勤務し、そのような少年とも多く接してきた著者による、非行の根本原因を示す本である。認知力の弱さ、感情統制の弱さ、融通の利かなさ、不適切な自己評価、対人スキルの乏しさなど、そこには共通した傾向がある。そして、それらは気付かれないまま、学校の生徒にも一定の割合で存在するのだという。こうした「境界知能」の児童を、社会生活に適するように導くことこそ大切だと説く。


●「みんなのナポリタン」 (山口惠以子著、ハルキ文庫)

「食堂のおばちゃん」シリーズの第9作。佃のはじめ食堂と常連客による、ちょっとした出来事を料理に絡めて展開するいつものストーリーである。「豚汁日和」、「参鶏湯で癒されて」、「ラム肉はピンク色」、「おろしポン酢は恋の味」、「みんなのナポリタン」の5作を収めるが、タイトルに入っている料理以外にも実に様々なメニューが登場する。はじめ食堂は常連客の意見や要望があれば、どんどん新メニューに取り入れるのである。標題作にあるナポリタンは、ラーメンやカレーライスと並ぶ「日本料理」の代表で、それぞれの思い描くナポリタンがあるのだというのは妙に納得できる。


●「玉電松原物語」 (坪内祐三著、新潮社)

著者の坪内氏は昨年急逝したため、連載中の本作が遺作となった。住んでいた世田谷区の玉電松原駅付近の思い出を綴った本といえるが、昭和33年生まれの著者による、古き佳き時代の昭和文化論が散りばめられている。当時は田舎であった世田谷の、小学校、商店街、そして玉電。著者より5年若い私が読んでも、どこか懐かしく感じるのは、私も小田急沿線で育ち、経堂、豪徳寺、松原付近も知っているからかもしれない。松原駅前にあるオオゼキや、玉電(現世田谷線)踏切の両側に広がる商店街は、風景が具体的に浮かぶ。(文中の「ジュネ」の跡付近にあるアジアン・レストランには時々行く。)  ちなみに坪内氏は私の高校と大学の先輩でもある。

●「「嫌いっ!」の運用」 (中野信子著、小学館新書)

人間誰しも、好き嫌いの感情を持っている。何かを嫌うのは、それが自身にとって不快であったり不利益であったりするからであり、好悪は生きていく上で自然な感情である。ところが、嫌いな人といっさい接することなく社会生活を営むことなど不可能だし、人を嫌うのは悪いことだという考えが支配しがちだ。しかし、ここで視点を変えて、嫌うという感情を理解して、なぜ、この人、あるいはこの集団を自分が嫌うのかを考えてみて、逆にこの感情を戦略的に利用すれば、日々の人間関係が楽になり、有効なものになるということである。
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