mixiユーザー(id:12784286)

2019年07月21日20:04

245 view

【音楽】 オーケストラ・ニッポニカ演奏会 〜タンスマンへの感謝と抉別

今日は、参議院議員選挙の投票を済ませ、そのまま四ツ谷に向かった。午後はコンサートである。オーケストラ・ニッポニカの演奏会で、「タンスマンへの感謝と抉別」と題する。プログラムは次のとおりである。

 ・タンスマン: フレスコバルディの主題による変奏曲
 ・松平頼則: ピアノと管弦楽のための主題と変奏
 ・松平頼則: パストラール
 ・タンスマン: 交響曲第2番

   指揮: 野平一郎/ピアノ: 秋山友貴
   会場: 紀尾井ホール (14:30 開演)


オーケストラ・ニッポニカは日本人作曲家の作品を演奏しているオーケストラだが、何らかの関連のある日本人以外の作曲家の作品も合わせて演奏することもある。今日は、松平頼則とアレクサンドル・タンスマンだ。松平はタンスマンなどの作品から20世紀音楽のさまざまな様式を学んでいき、最終的にそれらと決別(松平は「抉別」という字を用いている)することによって、自身のスタイルを確立した。

今日のプログラムは、作曲順ではタンスマンの「交響曲第2番」、松平の「パストラール」、タンスマンの「フレスコバルディ変奏曲」、そして松平の「主題と変奏」となり、その「主題と変奏」が、タンスマンとの「抉別」後の作品となる訳だ。まあ、詳しい分析は他の人にまかせて、純粋に音楽を楽しもう。いずれも生で聴くのは初めてであり、CDで聴いたのも松平の「主題と変奏」とタンスマンの第2番だけだ。4曲中2曲は全く初めて聴く作品である。そもそも、タンスマンの作品自体に馴染みが薄く、CDを持っていたことも忘れていたくらいだが、CDで聴いた第2番もなんとなくピンとこない感じだった。

最初はタンスマンの「フレスコバルディの主題による変奏曲」であるが、そのフレスコバルディがこれまた馴染みがない。生没年からして17世紀前半に活躍した作曲家らしい。そのフレスコバルディによる主題と5つの変奏から成るが、タンスマンがバロック音楽の様式に興味をもって作られた作品とのことで、実際バロック音楽を聴いているような感じであった。弦楽合奏版もあるが、今回のオリジナル管弦楽版では日本初演とのこと。

続いては、ピアノも加わり松平の「主題と変奏」だが、この主題は「越天楽」である。前述のとおり「抉別」後の作品で、最初は「盤渉調越天楽」がオーケストラで奏でられる。オーケストラによる雅楽という雰囲気である。この主題部分が結構長く、ようやく第一変奏からピアノが絡む。ピアノやオーケストラで和楽器の雰囲気をうまく表現している。12音技法による変奏があったり、ジャズのような変奏があったり、雅楽的雰囲気を保ちつつさまざまに変化し、最後は再び「越天楽」の主題で締める。CDでも聴いていたが、生で聴くとまた面白く、これは楽しめた。今日の演奏会の主目的は、この曲を聴くことであったので、まずは満足であった。

ピアニストの秋山氏はまだ若い(1992年生まれ)。今回初めて聴く。「主題と変奏」の演奏のあと、ピアノ独奏によるアンコール演奏があった。タンスマンのサラバンドである。これも全く初めて聴く曲だが、古典的雰囲気の曲であった。

休憩のあとは、松平の「パストラール」である。「抉別」前の作品であり、さきほど聴いた「主題と変奏」との雰囲気の違いを感じ取れればよいなと思っていたが、たしかに素朴な響きの音楽に聞こえた。しかし、どことなく似た雰囲気も感じられ、やはり同じ作曲家によるものだ。今回初めて聴く曲であり、つかみ切れぬまま終わってしまった短い曲というのも多少あるが、聴いていて心地よい曲ではあった。ちなみに1935年のチェレプニン賞の第2席に入賞した作品とのこと。この時の第1席は、伊福部昭の「日本狂詩曲」である。

最後はタンスマンの交響曲第2番である。CDで聴いた時の、何となくピンとこない感じが完全に解消された訳ではなく、もう少し聴いてみないと分からないなというのが、正直なところである。しかし、CDでは気付かなかったような素敵な部分もあったし、もう少し聴き込んでみたいと思う。伝統を重視しつつ20世紀の手法をさまざまに取り入れて融合させようとしたというタンスマンの姿勢が現れている作品ということなのだろうか。この姿勢が「抉別」前の松平にとって、惹かれるものがあったのだろう。

今日は滅多に聴けない作品を、全く初めて聴くのも含めて、楽しめた演奏会であった。決してメジャーとはいえない作曲家の作品も、埋もれたままにせず演奏してくれるオーケストラには感謝する。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年07月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031