mixiユーザー(id:12784286)

2019年07月07日20:45

371 view

【音楽】 ラスベート交響楽団演奏会 @ルネこだいら

冷たい雨の降る日。7月とは思えぬ涼しい、というより寒い1日だった。今日は小平に演奏会にいった。ラスベート交響楽団の演奏会で、グラズノフの作品をメインに、ロシアの作曲家をレパートリーとしている東京のアマチュア・オーケストラである。グラズノフの交響曲を全曲演奏した、おそらく唯一のアマチュア・オーケストラである。グラズノフの曲は好きなので、このオーケストラの演奏会は、いつも行くことにしている。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番
 ・グラズノフ: バレエ音楽「四季」
 ・ボロディン: 歌劇「イーゴリ公」より「ポロヴェツ人の踊りと合唱」
 ・チャイコフスキー: 祝典序曲「1812年」

   指揮: 小久保大輔/ピアノ: 清水新/合唱: 横浜ルミナス・コール、クラングコーア
   会場: ルネこだいら (13:30 開演)


会場に着くと人が多く、開演時刻になるとほぼ満席であった。この集客力は素晴らしい。最近は、マニアックなプログラムの演奏会も多かったが、今日は普通の(?)クラシック演奏会らしいプログラムである。とはいっても、アマチュア・オーケストラならではの趣向も凝らしているのであった。

まずはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番から始まる。超有名なピアノ協奏曲で、「美メロ協奏曲」の代表ともいえる曲だ。冒頭のピアノの和音が鳴ると、今日は甘ったるいメロメロな協奏曲ではなく、硬派のラフマニノフなのだなという気がした。実際、必要以上に甘美になることを避け、メロディーの美しさだけを追うのではなく、しっかりと全体の構成を捉えたような演奏で、好ましく感じた。

このあと、清水新さんのソロによるアンコール演奏があった。曲はもちろんラフマニノフで、前奏曲作品23の6 (24曲通算の第7番) である。これも、しっとりと良い演奏であった。

ここで1回目の休憩が入り、続いてはメイン・プログラムのグラズノフの「四季」である。交響曲の全曲演奏を終えたあとも、グラズノフの作品の演奏は毎回行い、今日は「四季」というわけだ。演奏の前に指揮者による解説が入る。四季というと、普通は春夏秋冬と思いがちだが、グラズノフの曲は冬春夏秋の順なので、「季節のイメージと合わないなあ」と勘違いしないようにということである。また、「秋というと寂寥感の漂う音楽を想像しがちだが、ロシアの秋は収穫の喜びの季節なのだ」とも説明する。もともとバレエ音楽であり、本来は踊りや舞台演出で季節感を出すのだが、今日は音楽で季節を感じてほしいともいうが、このあと面白い演出があった。

演奏は、グラズノフを演奏するオーケストラを標榜するだけあって、素晴らしいものであった。45分に及ぶ演奏も、それぞれの季節感を感じながら、最後まで退屈することなく堪能することが出来た。もっとも冬の「霜」、「氷」、「霰」、「雪」が区別して聴けたかどうかはあやしいが。

「冬」が終わると、指揮者は上を1枚脱いで、現れたのはピンクの花柄のジャケット。「春」は、この格好で指揮をしていた。「春」から「夏」へは切れ目なく続くのだが、「夏」を振りながら、さらに1枚脱ぐと、今後は黄緑色のジャケット。なるほど、指揮者の服の色でも季節感を表していて、初めて聴く人でも、季節のイメージがつかみやすくなっている訳だ。「夏」が終わるとやや間があり、次に現れたのは金ぴかのジャケット。「秋」のイメージらしいが、さすがにここでついに客席から笑いが生じる。しかし、演奏はしっかりと締め、素敵な「四季」を楽しませてくれた。指揮者の服の色が季節毎に変化するという遊び心も、アマチュア・オーケストラならではの趣向だろう。

ここで2回目の休憩が入り、このあとは豪華なアンコールといった感じだが、さらに2曲が演奏される。合唱もステージ後方に並び、まずは合唱付きの「ポロヴェツ人の踊り」である。「だったん人の踊り」とも言われるが、正確には「韃靼人」ではないようで、最近は「ポロヴェツ人」と言うようになっているようだ。ボロディンの本業は化学者で、作曲は余暇の趣味なのに、なんでこんなに素敵な曲が書けるのかと思う。何度聴いてもいい曲だ、女声合唱による美しいメロディーと、男声合唱による力強いメロディーが交錯しつつ、オーケストラが全体を支える。オーケストラの演奏だけで聴くことも多いが、本来は歌劇の中の1曲。合唱付きで演奏されると迫力がある。これも素晴らしい演奏だった。

最後は、チャイコフスキーの「1812年」である。こちらも超有名曲だが、ここでもなかなかの演出があった。冒頭のロシア正教讃美歌「主よ、汝の民を救いたまえ」が合唱で歌われるのは珍しくないし、大砲の音も今回は大太鼓3台で表現していたが、すごかったのは鐘である。ステージ上に2ケ所の他、客席にも鐘が配置され、合計6台の鐘が前方のステージからだけでなく、横からも後ろからも響くのである。客席を囲んで鐘の音が炸裂する。こんな「1812年」は初めてだ。大砲の音をどうするかは気になっていたが、まさか鐘の音の方に仕掛けをしていたとは! ラスベート交響楽団も20周年を迎え、今日はその記念演奏会第一弾でもあるのだが、そのプログラムの最後を、このような「1812年」で盛り上げたのである。

さすがに今日はアンコールはないだろうなと思っていると、「もっと聴きたいですか? でも、アンコール曲は用意していないのです。でも1812年の最後の方をもう一度やりましょう」と、合唱とオーケストラと、大太鼓による大砲と、会場全体から鳴る鐘の音で盛大に締めくくった。

外はまだ雨で、7月とは思えぬ寒さだったが、熱い演奏を聴いて、楽しい気分で帰宅した。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年07月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031