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2019年03月10日20:44

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【音楽】 日本人作曲家の作品を聴く (その12)

今日は自宅で休息日。夜からは雨になったが、寒さはだいぶ緩んできた。今日も合間合間に日本人作曲家の作品のCDを聴きつつ、のんびりとした休日を過ごした。

●伊福部昭
 ・管絃樂の爲の音詩「寒帯林」 (��)
 ・舞踊曲「プロメテの火」より第3景「火の歓喜」 (��)
 ・SF交響ファンタジー第1番 (��)
 ・ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ (��)

   � ↓◆Ш0譱鏤愆� 栃木県交響楽団
   ��、�ぁР�町修指揮 栃木県交響楽団/山田令子 (ピアノ)    (2016)

栃木県総合文化センターでのライブ録音である。この演奏会当日は宇都宮まで聴きに行った。「寒帯林」は、満州国での印象をもとに作ったという。長らく楽譜の所在が不明で幻の作品と言われていたが、21世紀になって自筆譜が見つかり、今は普通に演奏もされ録音も複数発売されている。第2楽章が特に印象的だ。第3楽章にはゴジラ音型まで登場する。「プロメテの火」からは「火の歓喜」。協奏風交響曲の第3楽章にも出てくるのとほぼ同じメロディーを執拗に繰り返すオスティナートだ。「SF交響ファンタジー第1番」を経て、最後は山田令子さんを加えての「リトミカ」である。神掛かっていたような山田さんの演奏を思い出す。


●大栗裕
 ・ヴァイオリン協奏曲
 ・大阪俗謡による幻想曲
 ・管弦楽のための神話-天の岩戸の物語による
 ・大阪のわらべ歌による狂詩曲

   高木和弘 (ヴァイオリン)/下野竜也指揮 大阪フィルハーモニー管弦楽団    (2000)

コテコテの大阪な1枚である。大栗はもともと大阪フィルのホルン奏者であり、吹奏楽ではメジャー作曲家だが、オーケストラ作品も忘れてはいけない。ヴァイオリン協奏曲も、大阪に因んだメロディーが満載らしいが、関東人には耳慣れないものもある。第3楽章は「阿波踊り」のリズムがベースだが、「阿波踊り」も実は浪速由来らしい。「大阪俗謡による幻想曲」は生でも聴いたことがあるが、まさに大阪の祭囃子。「神話」は大阪というよりは日本神話であるが、アマノウズメの踊りの音楽が大阪的? 「大阪のわらべうた」も、大阪らしい雰囲気が伝わる曲であるといえよう。久しぶりに大阪に行きたいな。


●芥川也寸志
 ・歌劇「ヒロシマのオルフェ」
 ・音楽と舞踏による映像絵巻「月」

   本名徹次指揮 オーケストラ・ニッポニカ
   黒田博 (バリトン)/腰越満美 (ソプラノ)/加賀ひとみ (メゾソプラノ)/吉田伸昭 (テノール)
   コール・ジューン/すみだ少年合唱団/オルフェ合唱団    (2010)

先日の歌劇シリーズで漏れた1枚を聴く。大江健三郎の台本による原爆がテーマのオペラである。被爆したケロイドの青年が幻影に苦しむ話で、「死の国に連れていく使命を持った女(エウリディーケ)の愛と使命の放棄によって、青年(オルフェウス)は生死の狭間に救いの希望を見出す」のだが、結末はわざと曖昧になっている。全体で30分ほどとオペラとしては短めで、セリフやパルランドが多い演劇的オペラである。後半に入っているのは、竹取物語を題材とした「月」で、美しい情景が浮かぶような作品である。舞踊を伴ったステージも見てみたい。


●中田喜直
 ・ピアノのための組曲「時間」
 ・ピアノのための組曲「光と影」
 ・ピアノソナタ

   宮沢明子 (ピアノ)    (1967/1969)

中田といえば、「夏の思い出」、「雪の降るまちを」、「ちいさい秋みつけた」、「めだかのがっこう」などの歌で知られる作曲家だが、これは貴重なピアノ作品の録音である。「時間」は、素朴な感じの組曲だが、6曲目の「トヨペット」がなかなか面白いかなと思う。(「トヨペット」は最初は「フィアット」といい、のちに改題したらしい。) 組曲としては「光と影」の方がいいと思う。この2曲目の「ある海の物語」は、「軍艦マーチ」の断片のようなメロディーも現れる。ピアノソナタは、20年かかったというだけあって、なかなかの力作である。中田の「歌」を彷彿させるような雰囲気もあり、聴き応えのある作品だと思う。


●松平頼則
 ・ピアノとオーケストラのための主題と変奏
 ・ダンス・サクレとダンス・フィナル (振鉾)
 ・左舞
 ・右舞
 ・ダンス・サクレとダンス・フィナル (長慶子)

   高関健指揮 大阪センチュリー交響楽団/野平一郎 (ピアノ)    (2001)

水戸徳川松平家の血を引く松平による、西洋音楽と日本伝統音楽の融合ともいえる作品である。「主題と変奏」は「越天楽」を主題とする変奏曲だが、冒頭からまるで「雅楽」である。この「雅楽」がピアノも絡んで、様々に変奏していく。ジャズっぽい変奏まであり、変幻自在である。松平の作風はその後、西洋の前衛音楽と雅楽の融合ということになるのだが、2曲目以降の収録曲は、まさにそんな感じである。日本古来の雅(みやび)に前衛のスパイスをまぶした感じで、不思議な響きを醸し出す。なお、このCDの曲順は、伝統的な舞楽の流れに沿うように、「ダンス・サクレとダンス・フィナル」の「振鉾」と「長慶子」を切り離して中の順序も入れ換え、「振鉾」のあとに「左舞」、「右舞」を並べたとのこと。


●宮内國朗
 ・交響詩「ウルトラマン」

●冬木透
 ・交響詩「ウルトラセブン」

   小松一彦指揮 東京交響楽団    (1978)

今日の最後は、これを聴いた。先日の冬木透作品コンサートの余韻である。「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」のために作られた音楽を題材に、それぞれ作曲者自身により「交響詩」に編曲した2曲である。1曲目はどちらも、オープニングの主題歌がモチーフになっており、以降は各場面で使用された音楽が題材となっている。サントラではなく、新たに作られた交響詩なのである。「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」を知らない人に、このCDを「クラシックの知られざる名曲だよ」と言って聞かせたら面白いかも知れない。実際、堂々たるオーケストラの名曲なのである。


前回から少し間があいたが、「日本人作曲家の作品を聴く」シリーズも12回目となった。手持ちのCDはまだあり、今後もしばらくは続行可能である。中には久しぶりに聴いたCDもあるし、このように日本人作曲家をまとめて聴くというのは、個人的には意義のあることだと思っている。
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