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2019年03月09日21:06

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【音楽】 読売日本交響楽団演奏会 〜イベールとドビュッシー

ここのところだいぶ暖かくなってきたが、今日は風が強い。そんな今日の午後は横浜にコンサートに行った。読売日本交響楽団の演奏会である。今月で読響の常任指揮者を退任するカンブルランの指揮である。急に思い立って行くことにした。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・イベール: 寄港地
 ・イベール: フルート協奏曲
 ・ドビュッシー(ツェンダー編): 前奏曲集
 ・ドビュッシー: 交響詩「海」

   指揮: シルヴァン・カンブルラン/フルート: サラ・ルヴィオン
   会場: みなとみらいホール (14:00 開演)


フランス・プログラムである。カンブルランはもちろん、フルートのルヴィオンもフランス出身、フランス人によるフランス音楽が楽しめる演奏会だ。

イベールの2曲はもちろん知っているが、演奏会で聴くのは初めてだ。「寄港地」は、地中海に面したローマ、チュニス、バレンシアの3つの土地を描いたもので、1曲目から楽しい音楽だ。「ローマ」が、なんとなくドビュッシーの「海」に似た雰囲気があるのに、今さらながら気付いた。ローマの喧騒というよりは、「海」の音楽なのだろうか。「チュニス」はエキゾチックなメロディーが印象的。(これを聴いていて、なぜか伊福部昭が浮かんでしまったのだが。) 最後はスペイン舞曲で盛り上がり、最初から好調である。今日の演奏会は楽しそうだ。

続いては、真っ赤なドレスでサラ・ルヴィオンが登場。イベールのフルート協奏曲だ。フルート協奏曲としては比較的有名な曲だが、前述のとおり生で聴くのは初めてだ。ルヴィオンのフルートも初めてだが、柔らかくしなやかな音色というのか、聴いていて実に心地よいものであった。

イベールは「自由に作曲したい」と常に語っていたが、フルート協奏曲も、古典的協奏曲の形態を取りながらも、イベールらしい軽快な音楽が躍動する素敵な作品である。自身もフルートを吹いた経験があるためか、やはり今日の個人的なメイン・プログラムはこの曲であったが、カンブルランの指揮によるオケともども満足のいく演奏であった。

このあと、ルヴィオンが日本語で「アリガトウゴザイマス」と短く挨拶し、続いてアンコール演奏である。今日のプログラムでフルート独奏といえばあれしかないだろうなと思っていたら、そのとおりのドビュッシーの Syrinx である。3分ほどのフルート独奏による美しいメロディーに聴き入った。

休憩のあとはドビュッシーだ。最初は「前奏曲集」だが、これはもとはピアノ曲である。その中から5曲を選んで、ドイツの作曲家/指揮者のハンス・ツェンダーが管弦楽に編曲したものだ。「帆」、「パックの踊り」、「風変りなラヴィーヌ将軍」、「雪の上の足跡」、「アナカプリの丘」の5曲が選ばれている。ピアノでは録音でも演奏会でも聴いているが、ツェンダー編の管弦楽版で聴くのは初めてだ。それもそのはずで、日本初演とのことである。この「前奏曲集」が、5曲とも実にカラフルな音で、少しやり過ぎではないかと思うくらい、あれもこれもといろいろな音が鳴る。ドビュッシーの前奏曲ってこんな曲だったっけなと思うくらい、新鮮に聞こえた。たしかにドビュッシーらしい響きを出そうとはしているようだが、なんとも不思議な感覚である。そう何度も聴く機会はないだろうし、これはこれで楽しめた。

最後は交響詩「海」である。海といっても、どこの海なのかによって表情はまるで違う。これはフランスの海なのだろうか。出版譜の表紙には北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」がデザインされたというのは有名な話だが、まさか日本の海ではあるまい。(北斎のこの絵は今の横浜から見た構図であり、まさに今日の会場!) 今日の演奏は、1曲目はなんとなく流しているようにも聞こえたが、徐々に盛り上げていく感じで、気が付けば最後までこの曲に浸っていた。実は録音で聴いてもあまり「海」という感じがしていなかったのだが、今日はそれなりに「海」のイメージに聞こえたような気がする(かもしれない)。

あまりフランス音楽のプログラムの演奏会に頻繁に行っているとはいえないが、やはり時には行くべきである。今日は楽しめた。特に前半のイベールが良かった。

会場の外に出ると、相変わらず休日の横浜は賑やかである。風はかなり強くなっていた。
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