mixiユーザー(id:12784286)

2019年02月17日20:17

181 view

【音楽】 日本人作曲家の作品を聴く (その9)

今日も、手持ちの日本人作曲家の作品のCDをいろいろと聴いた。今日は途中所用で出かけたりしたので、いつもよりは少な目である。

●伊福部昭
 ・SF交響ファンタジー第1番
 ・SF交響ファンタジー第2番
 ・SF交響ファンタジー第3番
 ・倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク

   広上淳一指揮 日本フィルハーモニー交響楽団   (1995)

伊福部といえば「ゴジラ」である。伊福部の交響曲や協奏曲を知らなくても、ドシラ、ドシラ、ドシラソラシドシラと聴けば、みんな「ゴジラ」だと分かる。その「ゴジラ」をはじめ、東宝特撮映画での伊福部音楽の果たした役割は大きい。音楽も映画の重要な一部分なのである。その映画音楽を再編したのが、3つの「SF交響ファンタジー」で、「ゴジラ」の他にも「宇宙大戦争」だの「フランケンシュタイン対地底怪獣」だの「三大怪獣地球最大の決戦」だの、特撮ファンにはわくわくする音楽が満載で、伊福部作品の演奏会でも、アンコールの定番になっているのだ。「ロンド・イン・ブーレスク」も、題材は特撮映画音楽が取られていて、まさに伊福部特撮音楽を楽しめる1枚だ。


●山田耕筰
 ・交響曲「かちどきと平和」
 ・交響詩「暗い扉」
 ・バレエのための交響曲「マグダラのマリア」

   山田一雄指揮 東京交響楽団   (1983)

山田といえば、「からたちの花」、「赤とんぼ」、「この道」などの歌曲作曲家として有名だが、「山田耕筰が交響曲なんて作ったの?」という人が多いのではないだろうか。歌曲に創作の軸を移したのは、当時の日本にはオーケストラ作品を受け入れる土壌がまだなく、「そういうのは西洋人が作るもの」と認識されていたからだ。山田はベルリンで作曲を学んだ。そのベルリン時代の代表的な作品が「かちどきと平和」だ。すでに完成度の高い作品である。山田はのちにスクリャービンの作品に触れ「これだ!」となるのだが、「かちどきと平和」は後期ロマン派の流れを汲む作品となっている。「暗い扉」は、標題から想像されるような内面的な苦悩や葛藤が見える作品、「マグダラのマリア」は、スクリャービン作品との出会いのあとで、いよいよ山田の目指す音楽に向かっていった作品といえようか。


●大木正夫
 ・日本狂詩曲
 ・交響曲第5番「ヒロシマ」

   湯浅卓雄指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団   (2005)

大木の、明暗の差が激しい2曲を収めたCDである。「日本狂詩曲」は底抜けに明るい、陽気なお祭りのような曲である。「木曾節」の歌い出し部分をモチーフにしている。「ヒロシマ」はもともと、交響的幻想「原爆の図に寄せて」というタイトルだった。丸木位里・丸木俊による「原爆の図」の6枚の絵に付した音楽に序奏と終曲(哀歌)を加えたもので、8つの楽章からなる。のちに交響曲第5番「ヒロシマ」と改題される。「無神経な時の流れ−人類の良心の声−混乱−静寂」と書かれた「序奏」に、全体のイメージが凝縮されている。「幽霊」、「火」、「水」、「虹」、「少年少女」、「原爆砂漠」の各曲は、音楽で悲惨な情景をこれほど的確に表現したものがあるだろうかというほどである。最後に長めの「哀歌」で締めくくる。広島の原爆を扱った音楽は数々あるが、その原点がこの大木作品だろう。(交響的幻想「原爆の図に寄せて」として録音されたCD(1953録音)もある。)


●橋本國彦
 ・交響曲第1番
 ・交響組曲「天女と漁夫」

   沼尻竜典指揮 東京都交響楽団   (2001)

西暦1940年は皇紀2600年でもあった。多くの作曲家が奉祝曲を作った。橋本の交響曲第1番も、その一つである。日本の悠久の歴史を描いたような第1楽章、琉球音楽のような旋律を「ボレロ」のように反復してクレッシェンドする第2楽章、そして第3楽章は「紀元節」を主題とする変奏曲とフーガである。皇紀2600年の祝典曲としてふさわしい音楽である。戦後はタブー視されて長らく封印されていたが、今はこうやってCDで聴くことができる。このような素敵な音楽を、そんなことで封印するのはおかしいとようやく気付いたのは、おそらく平成になってからだ。「天女と漁夫」は、羽衣伝説に基づくバレエのための音楽である。フルート独奏が漁夫、ヴァイオリン独奏が天女を表しているらしい。日本舞踊界にモダニズム文化が流入したのは、橋本の果たした役割が大きかったという。「天女と漁夫」は橋本の4つ目の舞踊音楽である。


●深井史郎
 ・パロディ的な四楽章
 ・バレエ音楽「創造」
 ・交響的映像「ジャワの唄声」

   ドミトり・.ヤブロンスキー指揮 ロシア・フィルハーモニー管弦楽団   (2004)

「パロディ的な四楽章」は、「ファリャ」、「ストラヴィンスキー」、「ラヴェル」、「ルーセル」の4曲から成り、タイトルの通り、これらの作曲家の作風のパロディーである。最初は「マリピエロ」も含む5曲だったが、最終的に除かれた。各曲を聴いてみれば、確かにそんな感じに聞こえる。「ルーセル」は最初は「バルトーク」だったという。ルーセルの作品はあまり聴いていないが、確かに「バルトーク」でもいいような感じである。「創造」は、これも皇紀2600年奉祝曲で、「神々の誕生」、「生物の誕生」、「人間の誕生」から成るが、これがまた実に素晴らしい曲である。冒頭は「古事記」の書き出しを思い起こさせるし、「生物の誕生」は単純なリズムが下等生物を表しているようだし、最後はフルートによる長い独奏がいよいよ人間の誕生かと思わせる。「ジャワの唄声」は、ラヴェルの「ボレロ」のアジア版といった趣だ。ジャワ民謡の「エス・リリン」の旋律を繰り返しながら盛り上がっていくのだが、このジャワ民謡が、なんと日本民謡的であることか!


片山杜秀氏の「鬼子の歌」を読み始めたせいか、今日はその本に関係する曲が中心の選択となったようだ。「音楽放浪記」を読んで以来、この連載シリーズ(?)を書き出したが、まだまだ続けられそうだ。片山氏の本を読んでCDを購入しまくった訳ではない。すでに持っていたCDを聴き直しているだけである。もちろん、まだ聴いていない曲も多数あるが、日本人作曲家の作品は録音も少なく、すぐに廃盤になってしまうものも多い現状では、聴きたい曲もなかなか聴けない。

この連載を続けると、「mixiの片山杜秀」になれるかな? (そこまでの知識もないので無理だな)
0 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年02月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728