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2019年02月13日21:06

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「魔の淵」 (三橋一夫著、戎光祥出版)

久しぶりに日下三蔵編の「ミステリ珍本全集」の1冊を読んだ。三橋一夫という作家も、この本によって初めて知った。表題作の「魔の淵」の他、「卍の塔」、「第三の影」の計3扁を収める。「魔の淵」は、地方の豪商における腹違いの兄弟の確執、使用人の不可解な死をめぐり、複雑な人間関係が描かれる。「卍の塔」は、新婚夫婦の夫の出張中に起きた事件をきっかけに、すれ違いが生じていく話、「第三の影」は、不良工員の巣窟となった川崎の工場における暴行や殺人、それを陰で操る何者かと闘う元工場次長の活躍の話。三橋は「不思議小説家」として知られており、通常のミステリー小説とは違う独特のアプローチということらしい。


●「音楽放浪記 世界之巻」 (片山杜秀著、ちくま文庫)

先日読んだ「日本之巻」に続く「世界之巻」である。クラシック音楽評論の本であるが、そこらの評論本とはだいぶ趣が違う。取り上げる作品(音源)も偏っており、いわゆる有名曲の有名盤はほとんど登場しない。その内容も縦横無尽で自由自在。この本を読むと、知っている曲であっても、全く違った視点が得られるようだ。どこからそんな話がつながるのかという書き出しが、途中できちんとつながって、それなりに「なるほど」と思わされてしまうのだ。いろいろ聴いているつもりでも、まだまだ音楽は奥が深過ぎることを痛感させられる本である。


●「告白」 (湊かなえ著、双葉文庫)

会社の同僚(女性)が、なぜかこの「告白」の話をしだしたが、読んだことないので読んでみた。湊かなえの作品らしく、読後にいやな感覚の残る「イヤミス」だ。中学校の教師、森口悠子の子供が校内のプールで亡くなった。それは事故として処理されたが、実はこのクラスの人に殺されたという、ホームルームでの「告白」から始まる。犯人も分かっている。森口、少年A、少年B、その母親、クラスメート、それぞれの日記や手紙の形をとったモノローグで展開していき、徐々に事件の全貌が明らかになってくる。話は複雑にもつれて、負の連鎖が続いていく。まさに森口の陰湿な「復讐」劇。でも結局いちばん悪いのは誰なのか...。


●「宇宙はどこまで行けるか」 (小泉宏之著、中公新書)

宇宙探索は、国家の威信をかけて莫大な予算を投じた時代を経て、今やベンチャー企業が勃興する時代になっている。本書では、ロケットエンジンの仕組みや、人工衛星の数々について詳述しながら、内惑星探索の条件、外惑星探索の条件などを解説している。太陽系の様子もだいぶ分かってきた。現在、ボイジャー1号・2号は太陽系を脱出している。「一番近い恒星」のアルファ・ケンタウリの探索は可能だろうか。うまく行けば約8万年後には到着する。今後、反物質推進やスターショット計画が現実のものになれば、新たに打ち上げる探索機では短縮可能だが、それらはまだまだSFの世界の話のようだ。


●「ドビュッシー最後の一年」 (青柳いづみこ著、中央公論社)

ドビュッシー研究家でもあるピアニスト青柳いづみこさんによる、タイトル通りのドビュッシーの「最後の一年」を追った本である。ドビュッシーが生涯を閉じたのは55歳。自分の年齢と重なるが、今となっては若過ぎる死だろう。直腸癌におかされながらも、最後まで作曲家として生きたドビュッシー。「終わりたがらない曲」のヴァイオリンソナタの話、いろいろな人との交流やすれ違い、そして未完に終わったオペラ「アッシャー家の崩壊」と自身を重ね合ったりと、最後の一年の生き方を、まるで実際に会って親しかったかのような筆致で綴る。改めて、ドビュッシーの作品をいろいろ聴いてみようと思う。
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