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2018年12月22日08:31

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘的メモ。

●「奇譚を売る店」 (芦辺拓著、光文社文庫)

「また買ってしまった」で始まる6つの話。古本屋での稀少な古書の蒐集に憑かれた「私」が、つい買ってしまった6冊の本、『帝都脳病院入院案内』、『這い寄る影』、『こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻』、『青髭城殺人事件 映画化関係綴』、『時の劇場・前後篇』、そして『奇譚を売る店』。この本を読み進むうちに「私」は、悪夢の世界へと引きずり込まれ、現実と虚構の境が曖昧になり、やがて背筋も凍るような奇妙な体験をする...。 読んでいるうちに、こちらまで不思議な世界に引き込まれて、「私」とともに幻想世界の出来事の中に入っていくような、不思議な感覚の本である。


●「新版 ダメな議論」 (飯田泰之著、ちくま文庫)

一見もっともらしいことを言っているようでも、よく見ればおかしな内容の文章に出くわすことが多い。そんな怪しい議論を見抜くためのポイントとして、定義の誤解や失敗が有るか、無内容または反証不能な言説か、難解な理論の不安定な結論か、単純なデータ観察で否定されないか、比喩と例語で支えられた主張か、の5つを説く。軽く読み流せる本かと思ったら、結構しっかりとした内容だった。新版とあるのは、2006年刊行の本に、「ネット時代のダメな議論」の章を加えたもの。たしかに「ダメな議論」があふれていることは日頃見ているとおりであり、どうにかならないものかと思うこともある。


●「買えない味」 (平松洋子著、ちくま文庫)

わずか電話一本で、お金さえ出せばどんな料理も簡単に手に入る便利な時代だが、お金では決して買うことも味わうことも出来ない味がある。日常の食卓に普通にあるものにこそ深い味わいがあるのだ。箸置き、お皿、テーブルクロスから、レモン、醤油、唐辛子、そして醤油の注ぎ口から、調理スプーン、まな板、さらには買物かごからエプロンに至るまで、ちょっとした視点を加えてみると、日常にある「買えない味」がそこかしこに見えてくる。女性ならではの視点で、身の回りの「買えない味」を綴ったエッセイ集である。


●「昭和探偵1」 (風野真知雄著、講談社文庫)

タイトルに釣られて買ってしまった本。平成最後の名(迷)探偵、熱木は、新宿の雑居ビルに事務所を構えており、なぜか昭和時代に置き忘れた謎を追うような依頼ばかりが舞い込む。アグネス・ラムの落とした水着の行方を探したり、ディスコクイーンのその後を探ったり、女性代議士の小学校時代の「事件」の真相を探ったり、コンビニのない時代に餓死した若者の真相を探ったり、というような話である。事務所の向かいにある雀荘の麻雀仲間、新宿ゴールデン街のバー「遠い昭和」のママなど、周囲の環境も昭和的だ。探偵の謎解きも、その「遠い昭和」のママにだいぶ助けられているが、ママの正体は実は...。


●「昭和探偵2」 (風野真知雄著、講談社文庫)

1があれば2がある訳で、続けて読んだ。TV出演をきっかけに、「昭和の謎」を解く依頼が続々やってくる熱木探偵事務所。ラッタッタに乗って事故に会ったお婆さんの真相を探ると意外な過去が明らかになったり、不鮮明な写真に写った黒電話のようなものが遺産相続争いに結びついたり、インベーダーゲームの取っ手が未解決の殺人事件を解決に導いたり、依頼自体は変なものばかりだが、「昭和なもの」に絡めて、意外な方向に解決する。「遠い昭和」のママの正体も徐々に明らかになってきて...


●「ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる」 (片山杜秀著、文春新書)

やや大袈裟なタイトルだが、音楽史をありふれた視点とは違う捉え方で書いた本である。すなわち、社会のニーズが変わっていったから、音楽もそれに合わせて変化していったのだという。まずは神の秩序である「グレゴリオ聖歌」。続いて教会から王侯貴族に音楽の主体が移り、やがて市民社会が到来して、ベートーヴェンのような「わかりやすい」、「うるさい」、「新しい」音楽が生まれてくる。一方でより「高級」な層向けの音楽もあり、音楽教育というマーケットが生まれ、グローバリズムが拡がる一方で、ワーグナーはナショナリズムの方向に向かう。そして、二十世紀になってシェーンベルクやストラヴィンスキーのような音楽が生まれてきた。片山流クラシック音楽史の本である。
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