最近購入したCDを2枚(+1枚おまけ)
●リヒャルト・シュトラウス (1864-1949、ドイツ)
・ヴァイオリン協奏曲
・ロマンス ヘ長調
・スケルツィーノ
・献呈
・たそがれの夢
・ツェツィーリエ
・子守歌
・歌劇「アラベラ」より「私にふさわしい人が...(Aber der Richtige...)」
アラベラ・美歩・シュタインバッハー (ヴァイオリン)
ローレンス・フォスター指揮ケルンWDR交響楽団 (2017録音、PENTATONE)
このCDを店頭で見かけた時、さて、シュトラウスのヴァイオリン協奏曲はどんな曲だったかと思い出そうとしても浮かばなかった。それもそのはずで、今までCDも持っていず、演奏会で聴いた記憶もない。未知の曲だったのだ。意外なところに「穴」があった。したがって初めて聴く曲である。ヴァイオリンのシュタインバッハーは、「アラベラ」という名前がそもそもシュトラウスの歌劇から取ったものらしく、家庭でもシュトラウスの音楽に接しながら過ごし、シュタインバッハー家の最も敬愛する作曲家らしい。そんなアラベラ・シュタインバッハーの録音で聴く協奏曲は、やはりシュトラウスらしいロマン性に満ちているが、交響詩などとは違った魅力がある作品だ。併録の小品は、歌曲をヴァイオリンと管弦楽に編曲したもの。彼女が親しんだシュトラウスの歌曲をヴァイオリンで表現したものであり、こちらも楽しめる。最後は「アラベラ」で締める構成もうまく考えられている。ここは、アラベラがズデンカに向けて、「もし私にふさわしい人が現れたら、見つめ合って、ただもう嬉しくて幸せになるの」と語る、夢見る少女の場面だね。
●伊福部昭 (1914-2006、日本)
・ギリヤーク族の古き吟誦歌
・古代日本旋法による踏歌
・サハリン島土蛮三つの揺籃歌
山田千代美 (ソプラノ)/山田令子 (ピアノ)/ダヴィッド・ヴァン・オーイエン (ギター)
(2017録音、Nostalgia)
伊福部昭の音楽の原点ともいえる、北方の民族に伝わる歌に基づく作品である。いずれもすでに聴いている作品であるが、古楽大国のオランダで古楽唱法を究めた山田千代美さんの歌で聴くと、また実に素晴らしいものになる。文字を持たない民族の伝承歌が失われていくのを、伊福部昭が作品という形で残したものである。「ギリヤーク族の古き吟誦歌」は、ai ai gomteira (アイ アイ ゴムテイラ)、takkar (彼方の河び)、ujungajujana (苔桃の果拾ふ女の歌)、 lokoru: ja (熊祭に行く人を送る歌) の4曲からなる。最初の「アイ アイ ゴムテイラ」からして、伊福部音楽の原点を感じる歌だ。ギリヤークの部落に嫁探しに来た男が成果なしですごすご帰るのを冷やかす歌だそうで、光景が浮かんで楽しい。他の曲も民族に根付いた歌で、西洋音階とは異なる独特の音程で、西洋音楽の音階に慣れた現在の日本人には、歌うことすら困難そうな歌だ。ギター・ソロによる「踏歌」をはさみ、3つの民族の揺籃歌が続く。bu:lu: bu:lu: (キーリン族)、buppun lu: (ギリヤーク族)、umpri ja: ja: (オロッコ族) の3曲だ。耳慣れぬ言葉で歌われる独特の音階の歌なのに、心に響くのはなぜだろう。
余談だが、このCDには「土蛮」と書かれているが、藍川由美さんのCDでは「先住民」になっている。本来の伊福部作品のタイトルは「土蛮」である。藍川さんのCDが発売された時に「差別的表現」との指摘があったためらしいが、伊福部さんはむしろ敬意を込めて「土人」、「土蛮」という表現を用いている。このCDでは本来の記述に戻っている。
●パヴェル・ハース・カルテット録音集サンプル
・ドヴォルザーク: 弦楽四重奏曲第13番 第2楽章
・プロコフィエフ: 弦楽四重奏曲第1番 第2楽章
・ヤナーチェク: 弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」 第1楽章
・ハース: 弦楽四重奏曲第2番「猿の山々から」 第4楽章
・シューベルト: 弦楽五重奏曲 第2楽章
・スメタナ: 弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」 第1楽章
・ドヴォルザーク: 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 第4楽章
・ドヴォルザーク: ピアノ五重奏曲第2番 第2楽章
・ドヴォルザーク: 弦楽五重奏曲 第4楽章
パヴェル・ハース・カルテット、他 (2006-2018録音、非売品)
上記のCDを買ったら、おまけでくれたサンプルCD。したがって、「購入したCD」ではないが、聴いたので書いておく。名前を冠したパヴェル・ハースはチェコの作曲家だが、そもそもこの作曲家を全く知らなかった。この四重奏団はドヴォルザークをはじめ、チェコの作曲家の作品を中心に録音しているようであるが、ドヴォルザークの室内楽は大好きなので、このCDも聴いていて心地よい。第4楽章だけ初めて聴くハースの「猿の山々から」も、なかなか面白い作品である。パーカッションが加わるようだ。これを機にパヴェル・ハースの作品を聴いてみようかと思う。(と、見事に戦略にはまったか。)
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