川崎市多摩区の自宅から多摩川を渡った反対側にある調布市。この調布市にある深大寺に急に行きたくなって、ふらりと出かけてきた。目的は深大寺の蕎麦だ。
深大寺の蕎麦は、もともとこのあたりが米作には向かない土地ゆえ、小作人は蕎麦を作って深大寺に献上し、寺が蕎麦を打って客をもてなしたのが始まりといわれている。この蕎麦が大変美味であり、深大寺の総本山である上野寛永寺の門主第五世公弁法親王が諸国に宣伝して知名度が上がった。三代将軍徳川家光が鷹狩りの際に深大寺に立ち寄って、深大寺の蕎麦をほめたという話もある。そのような訳で、深大寺一帯は蕎麦屋も増えて、現在は蕎麦が目当ての観光客も多く訪れるようになっている。
京王線に乗って調布駅で下りる。駅は地下化されて、地上にあった駅施設もだいぶ撤去されてきた。北口から吉祥寺駅行きのバスに乗り、深大寺入口で降りる。ここから深大寺方面に向けて歩くと、早くも蕎麦屋が並ぶ道になる。何を措いてもまずは蕎麦だ。このあたりに蕎麦屋が何軒あるのか正確には分からないが、近くにあった雰囲気の良さそうな店「深水庵」に入る。正午前なので空いていたが、この直後に混雑し始めることになり、早めに入って正解だ。1,100円の「鴨汁せいろ」をいただく。冷たい蕎麦を熱い鴨汁でいただく。これがまた絶妙な美味さである。駐車場が広く、いかにも観光客向けなところもあるが、やはり蕎麦は文句なく美味しい。あっという間に平らげてしまい、満足して店を出る。
(深大寺蕎麦「深水庵」)
(「深水庵」の鴨汁せいろ)
そのまま道に沿って歩くと、水車が見える。湧水によって水車は動いているが、もちろん今は水車で蕎麦を挽いてはいないだろう。ここは「深大寺水車館」という小さな展示館となっていて、蕎麦に関する農機具が展示されているので、中を覗いてみる。入場は無料だ。
参道を通り山門をくぐって深大寺にお参りする。本堂、元三大師堂を見て、あたりをゆっくりと散策する。「なんじゃもんじゃの木」というのがあるが、これは正確にはモクセイ科のヒトツバタゴという木だが、「なんだか見慣れない珍しい木」ということで、こう呼ばれるのである。神事に用いられるため直接名前を言うことが憚られ、こう呼んでいたという説もあるようだ。山門の近くには「そば守観音」もある。深大寺周辺が蕎麦で成り立っているのだから、蕎麦を見守る観音様もおられるという訳だ。
(深大寺水車館)
(深大寺山門)
(深大寺本堂)
(深大寺元三大師堂)
(深大寺「なんじゃもんじゃの木」)
(深大寺五大尊池)
(深大寺そば守観音)
(深大寺深沙大王堂)
蕎麦屋ばかりが並ぶ道も昼を過ぎてかなり賑わっている。深沙大王堂の横を通り、少し奥まったところに階段があるので登ってみると、そこにも蕎麦屋があった。「深山茶屋」という店であるが、このまま引き返すこともないので、今日2軒目となる蕎麦屋での食事となってしまった。1時間前に食べたばかりなのに、美味しい蕎麦はいくらでも食べられるのである。賑やかな参道から少し離れているためか、静かでよい。ここでは「天ぷら蕎麦」を食べた。少し高いところにあるためか風が心地よく、熱い汁の蕎麦も美味しくいただいた。観光客で混雑した蕎麦屋を避けるなら、この店はいいかもしれない。蕎麦が美味しいことはいうまでもない。
さすがに3軒目の蕎麦屋に行く気はなく、ゆっくりと歩いて帰ることにした。不動堂付近にはアジサイが咲いていてきれいだ。アジサイの季節もそろそろ終わりで、本格的な夏がやってくる。帰りがけに、「深大寺ビール」を2本買ったら、おまけに大判焼きを一つくれた。
(深大寺蕎麦「深山茶屋」)
(深大寺不動堂)
深大寺入口からバスで調布駅に向かい、京王線で多摩川を渡って帰宅した。
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