東京交響楽団の演奏会に行ってきた。会場は川崎市教育文化会館で、ミューザ川崎が使えない間の代替会場の一つである。ここで音楽を聴くのは初めてだ。以前、仕事絡みの講習で行った記憶があるが、ホールがあったとは知らなかった。
本日のプログラムは次のとおりである。
・ショパン:ピアノ協奏曲第1番
・ドヴォルザーク:交響曲第7番
指揮:秋山和慶/ピアノ:インゴルフ・ヴンダー
今回の目的は、秋山氏の指揮するドヴォルザークである。8番や9番ではなく7番なのがいい。鉄道マニアとしても有名な秋山氏が、大の鉄道好き(当時は「鉄道マニア」なんて言葉はないだろう)であったドヴォルザークの作品をどう振るか楽しみなのだ。
会場に着くと、本番直前だというのにピアノの調律中。ピアニストから指摘があったのかもしれないが、大丈夫かなと思う。会場に来ていたマイミクのVALE46さんにも会い、調律も無事終わったようなので、自席で開演を待つ。やや空席が目立つが、代替会場としてはミューザ川崎よりもグレードが下がるし、駅からも少し遠いし、首都圏で他の魅力的な演奏会も重なっているし、といういくつかの理由が考えられる。
最初はショパンのピアノ協奏曲第1番。ピアノは2010年ショパン国際コンクールで第2位だったというヴンダーだが、聴くのは今日が初めてである。ショパンの協奏曲は1番は割と好きなのだが、どうも今日はドヴォルザーク目当てで来たようなものなので、直前になって、「今日はドヴォルザーク7番と何やるんだっけな」と確認し直したような次第である。
ピアノが入る前のやや長いオーケストラの部分は、ショパンらしい美しいメロディーだが、結局はピアノのための作品で、オーケストラはただの伴奏なんだよなと思っているが、まあそれは仕方なかろう、ショパンだから。たぶん良い演奏だったのだろうけど、正直ちょっと退屈してしまい、第2楽章あたりで眠くなってしまった。いや、心地よい演奏が夢の中へ連れて行ってくれたのだろう。
このあとヴンダーのピアノソロによるアンコールが、ショパンの「子守歌」だったのが、またなんとも(笑)。休憩時間にマイミクのVALE46さんに会うと、彼も第2楽章は夢の中だったらしい。
このあとはドヴォルザークの7番だ。ドヴォルザークの交響曲は、9番は数限りなく演奏されているし、8番も次いでよく演奏されるが、7番となると演奏頻度が極端に減るようで残念だ。8番、9番が何度も演奏するに値する名曲なのは異論がないが、7番も劣らぬ名曲なのである。ブラームスの作品との親和性もよく言われることだが、別にブラームスの模倣ではなく、ドヴォルザークらしい魅力あふれる作品なのである。
さて、今日の演奏だが、指揮者が鉄道マニアの秋山氏だからという訳ではないがこんな感じに聴こえた。
第1楽章は、ほの暗い主題がヴィオラとチェロで始まるが、夜が明けたばかりの霧の中から、ゆっくりと機関車に引かれた一番列車が走りだすような感じだ。やがて力強く快調に進み、野を越え山越え谷越えて、静かに駅に到着する。
第2楽章は、素朴で牧歌的な楽章。高原を走るローカル線に揺られているようだ。森や湖を眺めながらゆったりと、たった1両の気動車に揺られているような感じである。
第3楽章は、印象的なリズムの舞曲的なスケルツォ楽章。洗練された都市近郊の電車で、颯爽と走っている感じだ。都会の町並を抜け郊外の田園風景の中を走り、また都会に戻っていく感じだろうか。
第4楽章は、劇的な最終楽章。いよいよ、豪華寝台特急に乗って出発だ。列車は力強くホームを離れるとぐんぐんと走り出し、いくつもの町を過ぎて、やがて長い鉄路の旅を終える。
真面目に書けと怒られそうなのでこのぐらいにして、とにかくドヴォルザークは十分に楽しめた。好きな曲を好きな指揮者で聴いたのだから、楽しめるだろうとは思っていたけれど。
ピアノソロだけでなく、オーケストラのアンコールもあったのがうれしい。曲目は軽快なグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲だ。
今回も十分に楽しめたコンサートであった。(というより、楽しむためにコンサートに行っている。)
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