今日は横浜に日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会を聴きに行った。
プログラムは次のとおりである。
・吉松隆:アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番
・吉松隆:トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」
・シベリウス:交響曲第1番
指揮:藤岡幸夫/トロンボーン:伊藤雄太
会場:横浜みなとみらいホール (15:00 開演)
吉松作品を積極的に取り上げている藤岡幸夫によるプログラムで、そもそも「オリオン・マシーン」は日フィルの委嘱で作られた作品でもある。それが前半であり、生で聴くのは初めてだ。ちなみに手持ちのCDも藤岡指揮によるものである。開演前に、みなとみらい駅の改札階からエスカレータに乗っている吉松隆氏の姿も見かけた。もちろん会場に行くのだろう。
さて、1曲目は「アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番」だが、タイトルだけを見ても意味不明である。原曲は弦楽四重奏曲であり、「ドクター・タルカスズ・アトム・ハーツ・クラブ・カルテット」が原題、訳すと「タルカス博士の原子心倶楽部四重奏曲」ということだが、ますます訳が分からない。まあ、そういう細かいことはどうでもよく、プログレッシブ・ロック風なアレグロに始まり、いろいろな要素をごちゃまぜにしたような、ノリで楽しめるような曲という感じだろうか。弦楽四重奏の方は未聴だが、弦楽合奏になると意外と(?)「クラシック音楽」的にも聞こえてくる。
2曲目はトロンボーンのソロを加えての「オリオン・マシーン」である。これもタイトルだけでは意味不明なのだが、オリオン座にトロンボーンによる機械仕掛けを絡めたような作品ということらしい。ベテルギウス、ベラトリクス、悲歌と歪んだワルツ、サイフ、リゲルの5つの部分から成り、真ん中のワルツはもちろん三ツ星を表している。冬の星座の中でももっとも分かり易いのがオリオン座であり、それぞれの星をイメージしながら聴けるが、それがなぜベテルギウスなのか、ベラトリクスなのか、と言われても何ともいえない。ただ、冒頭がいかにも星空という雰囲気で、すっと入って行きやすかった。最後の方には長めのトロンボーンによるソロがあり、じっくりと聴かせてくれた。トロンボーン奏者には相当の技巧を要求する曲だとは思う。トロンボーンによるマシーンというが、むしろトロンボーンの音色が宇宙の星のようにも感じた。宇宙の大きな広がりを感じさせてくれる曲である。終演後には会場にいた作曲者の吉松隆氏も紹介された。
休憩のあとはシベリウスの交響曲第1番である。シベリウスも指揮者藤岡幸夫にとっては特別な作曲家らしい。この曲は何度も聴いているが、何度聴いても飽きない曲である。冒頭クラリネットのソロから始まることからしても、独特の雰囲気を醸し出している作品であるが、そのあとはいかにもシベリウスな響きになっていくのである。第2楽章も、なんとなく牧歌的な雰囲気かと思っていると、そのあとの展開が変化に富んでいて飽きさせない。最後のピッチカートもしっかりと決まって、やはりシベリウスらしい素敵な曲だなと再認識した。演奏も単調になることはなく、しっかりとメリハリを付けて、素晴らしかったと思う。
最後にアンコール演奏があった。藤岡幸夫の思い入れのある曲だというエルガーの「夕べの歌」である。今日も素敵な演奏会だった。
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