mixiユーザー(id:12784286)

2025年04月30日20:09

75 view

【読書】 最近読んだ本 備忘禄

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「謎とフシギの京王電鉄」 (松本典久著、交通新聞社新書)

いまさら「謎」でも「フシギ」でもない話ばかりではあるが、京王電鉄の歴史と魅力を綴った本である。京王線と井の頭線では軌間も異なり、まるで別会社の路線のようなのだが、それもそのはずで、井の頭線は元々は小田急系列の帝都電鉄だったというのは知られていることである。京王は路面電車からスタートし、新宿のターミナルも東口側にあったことや、府中から西は玉南鉄道として開業し、のちに合併して直通できるようにしたこと、多摩ニュータウンの足となっている相模原線も最初は多摩川の砂利採掘のための路線だったこと、戦時中に廃止になった御陵線という路線があったことなど、いろいろと書かれている。京王線は1372mmと特殊な軌間を採用しているのも、路面電車からはじまったという経緯を考えれば納得である。新しい情報はほとんどないが、総論的な解説として楽しく飛んだ。


●「毒殺魔の教室」 (塔山郁著、宝島社文庫)

この作者の作品は「薬剤師・毒島香織」シリーズしか読んでいなかったが、別の作品も読んでみたくて購入した本。小学校六年生の教室で、担任教師の給食に下剤を入れるという悪戯を企てた生徒たち。その中心になったのは医師の息子で学級委員の楠本大輝。ところが、実行後も先生には何事も起きず、それどころか首謀者の楠本が突然倒れてそのまま死亡した。その3日後にあるクラスメイトの男子が、大輝の牛乳に毒物を混入させたことを告白した遺書を残して自殺した。それから30年後、ある人物が当時の関係者を訪ねて聞き取りをはじめる。いったい何のために? 聞き取り対象の証言も、30年も前のことなので内容にズレがあるが、ついには当時のクラスメイトだった2人の女性と事件の関係、事件の複雑な背景が明らかになっていくのである。


●「芥川也寸志とその時代」 (藤原征生著、図書刊行会)

芥川の音楽は結構好んで聴いているので、この本を書店で見つけて即購入して読んだ。タイトルはやや広めの印象だが、内容は芥川の映像音楽についての考察が主である。芥川の手掛けた映像音楽作品は多いが、映像音楽に限らず芥川作品には、旋律が明瞭、リズムがはっきりしている、オスティナートを多用、和声構造が明確といった特徴があるのは間違いない。さらに映像音楽ではモティーフを流用することが多かったり、鞭やチェンバロといった独特の楽器の使用が目立ったりというものあるという。「赤穂浪士のテーマ」の鞭は有名だ。そういったことを具体的な作品と絡めて考察し、さらに「三人の会」メンバーと映像音楽の関わりなどについても言及する。本書は著者の博士論文がベースになっているそうである。


●「西武池袋線でよかったね」 (杉山尚次著、交通新聞社新書)

西武池袋線沿線、特に東久留米市周辺に注目して、郊外から東京を見直そうということで、地域情報サイト「ひばりタイムズ」に書いた文章をベースにまとめた本とのこと。そもそも東久留米とはどのような所なのかを西武鉄道の歴史を絡めて語る。そして、漫画などの文化の拠点としてとらえたり、ひばりヶ丘や滝山といった団地に注目して、その成り立ちを解いたりする。「武蔵野」という言葉もある種のイメージをもっているが、それを踏まえつつ郊外を歩いてみたり、川から武蔵野の歴史をたどってみたり、さらには、あまり知られていない軍都としての武蔵野について語ったりする。内容はあちこちに飛んでいるようだが、何もないと思われている土地にも歴史があり、それを知れば町が違ってみえる、というのが主旨のようである。


●「日本の人魚伝説」 (高橋大輔著、草思社)

人魚というと、アンデルセンの「人魚姫」やディズニーの「リトル・マーメイド」をイメージすることが多いが、日本の人魚伝説をさぐっていくと、それとは全くことなる奇怪な怪物としての人魚が存在していたのである。そして、人魚の肉を食べて不老長寿となったという八百比丘尼伝説と結び付いている。そもそも八百比丘尼とは何だったのか、そして八百比丘尼が食べた人魚とは何だったのかを、伝説の地を巡って探った本である。まずは小浜を訪れ、伝説の少女の痕跡を探る。南海のジュゴン、淡水のオオサンショウウオ、北洋のアザラシ・アシカ、深海のリュウグウノツカイなど、人魚の正体の可能性の仮説を立てて現地を訪問しながら検証していく。結論として、古来の人魚の正体はニホンアシカであろうと導いた。浦島伝説や海幸彦山幸彦神話との関係も浮かび上がってきて、なかなか興味深い研究成果である。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年04月>
日 月 火 水 木 金 土
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930