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2025年02月01日16:54

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【読書】 最近読んだ本 備忘禄

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「成瀬は天下を取りにいく」 (宮島未奈著、新潮社)
●「成瀬は信じた道をいく」 (宮島未奈著、新潮社)

2024年の本屋大賞の本とその続編。いまだに書店に目立つように置かれており、かなり売れていることが分かる。どんな話かと読んでみたら、やはり面白かった。成瀬あかりの中学二年生から大学一年生までの話であるが、ありふれた青春小説ではない。成瀬は小学校時代から数えきれないほどの表彰を受け、学校での成績もずば抜けていて膳所高校から京都大学に進み、他にも多くの特技を持つが、行動が周囲の予測をはるかに超えており、傍から見れば「変わった人」である。でも、そんなことは本人は気にもしない。西武大津店の閉店を伝えるローカル番組に毎日映ることから始まり、幼なじみと漫才コンビを結成したり、それがきっかけで地域の夏祭りの司会に抜擢されたり、びわ湖大津観光大使になったり、紅白歌合戦に剣玉で出たりする。滋賀県大津市を舞台にした超ローカル小説だが、実在の施設もそのまま出てくることから、地味な県庁所在地の代表格である(?)大津市にも、詳しくなってしまう。


●「「駅そば」から広がるそば巡り」 (鈴木弘毅著、交通新聞社新書)

鉄道の駅構内にある「駅そば」は、鉄道旅行好きにとっては欠かせない店であり、私も多くの店に行っている。そんな駅そばも、国鉄民営化の際に鉄道会社の系列会社に統合されたり、駅改築の際に消滅してしまった店も多いが、別の事業者によって復活したところもあり、結構変化が激しいものでもある。そんな駅そばを3000軒以上訪ねたという著者による、駅そばの本である。一口に「駅そば」といっても店によって千差万別であり、地域の特色があったりして面白いのだ。さらに、バスターミナルにある「BTそば」、空港にある「空そば」、フェリーターミナルにある「海そば」にまで範囲を広げ、乗物とそば店の関係にまで話が及ぶ。掲載されている店も、私自身も行ったことがあるものは多いが、改めて駅そば等の魅力が確認できる本でもある。


●「論理的思考とは何か」 (渡邉雅子著、岩波新書)

論理的思考とは世界共通のものでも不変のものでもなく、そこには価値観に紐づいた思考があるということである。すなわち、何を論理的思考とするかは、その目的に合った思考法であるべきなのだという。著者は4つの型を上げている。「経済の論理」は効率性や確実性が求められ、アメリカのエッセイが該当する。「政治の論理」は矛盾の解決や公共の福祉が求められ、フランスノディセルタシオンが該当する。「法技術の論理」では真理の保持が求められ、イランのエンシャ―が我当する。「社会の論理」では共感が求められ、日本の感想文が該当する。それぞれ文章の組立も違ってくるので、学校での作文の指導もそれに沿ったものになっているという。いずれも他の思考を見れば非論理的と感じるのだが、どれが正しいとうものではない。なかなか興味深い本であった。


●「ユーカラおとめ」 (泉ゆたか著、講談社)

アイヌの口承文芸「ユーカラ」を日本語に訳して、「アイヌ神謡集」として残した知里幸恵。18歳の時に北海道を離れ、東京の本郷に住む金田一京助の家に住み込んで、「アイヌ神謡集」をまとめ、金田一のアイヌ語研究のサポートもした。絶滅の危機にあったアイヌの口承文芸を後世に伝える重要な業績を残したのである。しかし19歳で心臓の持病のためになくなってしまう。この本は幸恵の東京における短い時間を描いたものである。金田一の一家との日常や、金田一と関係するいろいろな人との接点があったが、和人からのいわれなき差別との戦いもあった。しかし、自分には時間がないことを悟っていた彼女は、「アイヌ神謡集」をまとめることは自らの使命であるとして、命を削りながらまとめたのである。「アイヌ神謡集」は今も読み継がれており、わずか19年の生涯で大きな足跡を残したのである。
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