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2022年10月21日20:15

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【読書】 最近読んだ本 備忘禄

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「宇宙の秘密を解き明かす24のスゴい数式」 (高水裕一著、幻冬舎新書)

数式は、神羅万象を正確に記述するものである。一見シンプルな数式に込められた意味は、まさに宇宙の姿そのものなのである。宇宙を支配する数式であるアインシュタイン方程式、宇宙全体のエネルギーを表すフリードマン方程式、ブラックホールを予言したシュワルツシルト解、宇宙創成の解明の鍵になりそうな重力波の波動方程式など、宇宙の数式から、シュレディンガー方程式、ディラック方程式など素粒子の数式、さらに相対論的エネルギーの式やローレンツ変換、ミンコフスキーメトリック、マクスウェル方程式、番外編としてガウス分布の式やオイラーの等式など数学の分野の式なども挙げ、数式の美しさを、その発見に関するエピソードも加えて解説する。物理や数学を学んだ人にはお馴染みの数式だが、改めてその「美しさ」に気付くのである。


●「日本の珈琲」 (奥山儀八郎著、講談社学術文庫)

原本は1973年に刊行された「珈琲遍歴」で、珈琲の歴史研究家でもあった版画家の著書である。珈琲がいつどのようにして日本に伝わり広まっていったのか、世界の珈琲文化はどのように広まっていったのか、日本初の珈琲店はどうだったのか、そして江戸時代の長崎における珈琲との関わり、海外渡航者の珈琲体験など、豊富な文献を渉猟して、細部にわたって珈琲に関する文化史を解き明かす本である。現在は漢字で「珈琲」と書くが、実はいろいろな書き方がかつて存在したようで、「かうひい異名熟字一覧」には61通り書かれている。これも著者が調べ上げ作成したものである。私はほぼ毎朝仕事前に珈琲を読んでいるが、そういう人も多いだろう。何気なく飲んでいる珈琲についての、濃くて深い相当マニアックな内容の本である。


●「私鉄3.0」 (東浦亮典著、ワニブックス新書)

沿線人気が高いとされる東急電鉄の戦略的プランディングについて、東急の新規事業開発や沿線開発戦略策定などを行ってきた著者が綴った本である。私鉄は単に線路を引けばよいのではない。それを利用する人がいなければならないのだ。私鉄経営は郊外に住宅地を開発し、都心への通勤輸送で稼ぐことからスタートし、東急も多摩田園都市開発を進めてきた。これが1.0。そこから発展して、郊外にも人の流れを作り、全方向の流れを生み出す2.0。現在はこのステージに近付いてきているが、さらに目指すべきは、グループの各種サービスを総合的に沿線住民や利用者にスマートに提供することだという。いわば「電車に乗らなくても儲かる未来」を創造することなのだという。これは、東急以外の私鉄、いや、あらゆる事業にもいえることなのだろうと思う。


●「幻獣の話」 (池内紀著、講談社学術文庫)

想像の産物である奇怪な動物の数々について綴った、面白い本である。マルコ・ポーロが見たというスマトラの一角獣、インドに住むとされた異形の人間たちなどの話に始まり、幻獣紳士録と題して、世界各地の文献に記された幻獣を紹介している。日本の妖怪もその一種である。そして、日光東照宮には霊獣が潜んでいるというし、中国の「山海経」にもユニークな生き物が描かれている。「無駄で横道にそれた知識には一種のけだるい喜びがある」という言葉に導かれて、古今東西の幻獣を調べたわけであるが、本当に語りたかったのは幻獣そのものではなく、それら奇妙な生物を生み出した人間についてであり、「幻の獣」が我々のうちにひそんでいるということだという。


●「そば学大全」 (俣野敏子著、講談社学術文庫)

信州大学農学部で長年ソバの研究をしてきた著者による、中身の濃いソバの本である。日本の代表的な食べ物である蕎麦だが、実はソバ食文化は日本だけのものではない。そもそもソバとはどのような植物か、どのように栽培され収穫されるのか、そのあたりから詳しい話が始まる。普通種よりも収量が多くて安定しているダッタンソバ、ニガソバが日本で栽培されなかった理由や、手打ちそばが上等とされる理由もあるのだ。そして、日本のそば食文化の広がりについて述べるが、話はそこにとどまらない。さらに世界各国に飛び、各地の独特のソバ食を紹介していく。それらはまさに多種多様で、日本の「そば切り」だけがソバ食ではない。「蕎麦」だけがソバではないのだ。ソバを知ってますます蕎麦好きになる本である。
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