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2022年08月22日20:21

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【読書】 最近読んだ本 備忘禄

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「オペラの運命」 (岡田暁生著、中公新書)

以前、同じ著者による「オペラの終焉」という本を読んだが、そこではリヒャルト・シュトラウスの「薔薇の騎士」を、オペラ黄金時代の最後の輝きとしていた。この本は、そこに至るまでのオペラ史といった内容である。そもそもオペラは王侯貴族のためのものであり、莫大な費用をかけた一夜の夢であった。オペラ上演の場は社交の場であり、内容はどうでもよかったのである。それが、市民階級にも広がっていくと、いかにも成金が喜びそうな形になっていく。昼間の労働に対する報酬としての、夜のグランドオペラ鑑賞である。やがて、オペラの「先進国」であったイタリア様式から、国民オペラが生まれてきて、ワーグナー等により、主役が王から作曲家へと変わっていくのである。それはオペラの、「娯楽」から「芸術」への転換でもあったのだ。


●「ニッポン秘境路線バスの旅」 (風来堂著、交通新聞社)

日本全国すみずみまで走っているバス路線。その中には、まさに秘境としかいいようがないところを走っていたり、とんでもない悪路を走っているところもある。また、地域ならではの特徴あるバスもある。そんなバス路線を網羅的に紹介した本である。まずは鉄道路線から転換したバス路線を紹介。このあたりはまだどうってことはないが、その次の章では、狭隘な道や悪路を通るバスを紹介している。中には少しでもハンドル操作を誤れば崖下の転落しそうな道もある。さらに、高速バスではない長大路線バスや、京成の連接バス、阿佐のDMV、名古屋のガイドウェイバスなど、個性的なバスも紹介している。私自身も乗ったことある路線もあるが、バスは鉄道とはまた違った面白さがあるのである。


●「クラシック偽作・疑作大全」 (近藤健児/久保健著、青弓社)

ある作曲家の作品とされていたものが、実は別の人の作だったということがある。意図的に他の作曲家の名を騙って出したものもあるが、何かの拍子に紛れてしまったものも多い。そんな作品も研究が進むに連れて、真の作者が判明したり、作者は不明だが別人の作だと断定したり、中にはまだ結論が出ない作品もある。そんな作品を集めて解説した本で、バロック時代から、バッハ、ハイドン、モーツァルトの偽作(他者の作品と判明したもの)、疑作(本人の作品ではないと思われるもの)の数々を紹介している。ベートーヴェン以降はさすがに少なくなってはいるものの、やはりそれなりにあるのだ。(録音されている作品も多く、私もCDで持っているものもあるので、先日改めて聴いてみた。)


●「地名の謎を解く」 (伊東ひとみ著、新潮選書)

地名には、太古の時代から受け継がれてきた「日本の古層」が込められているのである。そこには日本人の心性や自然観、人々の営為を知る鍵が埋め込まれている。大地には八百万の神が宿っているのだ。現在の地名は、そんな古層と隔絶してしまっているが、それは漢字が伝わってきたことによって、言葉を文字で表すことが始まった頃の好字二次令が発端であるという。そして、明治以降の「近代化」の波により新たな地名に変わっていき、平成の大合併等で、おかしな地名が出現したのはごく最近だ。地名の由来は字面からは見えない。字面ではなく音に注目すると真の姿が見えてくるのだ。記紀に代表される神話の世界から、縄文文化や弥生文化、いわゆる大和言葉の成り立ちなど、地名そのものというより、その奥底から解き明かし、地名の意味を深く掘り下げていく内容で、読み応えのある本であった。


●「青函連絡船物語」 (大神隆著、交通新聞社)

青森と函館を結んでいた青函連絡船は、鉄道連絡船の中でも特別な存在だったろう。その青函連絡船についての本である。青函連絡船の歴史、運航ダイヤ、洞爺丸台風の話など、どこにでも書かれているような内容は軽く触れるにとどめ、多くのページを使って書かれているのは、前便入港から始まって、函館港から青森港に至るまでの、現場の生の声である。これを臨場感あふれる書き方で書いていることが特徴だ。どのポイントで誰が何をしていたのか、乗客として船内にいるだけでは分からなかったことが、手に取るように分かるのである。私も青函連絡船には数回乗ったが、他にはない独特の雰囲気があったのを、懐かしく思い出した。
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