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2022年07月07日19:48

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「永遠をさがしに」 (原田マハ著、河出書房新社)

世界的な指揮者、梶ヶ谷奏一郎の娘で高校生の和音。元チェリストの母とは、父と離婚して以降は会っていない。自分を捨てた母への恨みもあって、幼い頃に母の手ほどきを受けたチェロも、母がいなくなってからは一度も触っていない。そして、父もボストン交響楽団に招かれ、単身渡米することになる。父のいなくなった家に突然やってきたのが、父の再婚者と称する型破りな女性。その継母とは距離をおき、友人の文斗、朱里とつるむ日々。そんな中、継母になった女性の過去、実母の離婚の本当の理由、そして文斗や朱里の抱えている悩みをも明らかになっていく。何かに導かれるようにチェロを再び弾き始める和音。そして、それぞれがそれぞれの道へ踏み出していくのである。音楽を通じて描かれた感動的な物語である。


●「暮らしの古典歳時記」 (吉海直人著、角川選書)

日本には、季節ごとのさまざまな風物や文化が暮らしに根付いている。そんな話を身近なところから話題を拾って綴った本である。ねずみやうぐいすなどに始まり、いろいろな記念日についても、あれこれを述べる。史実に基づいた正しい(?)記念日から、語呂合わせやこじつけのような記念日まで、実に多くが存在するのだ。ちなみに、十月十日はもっとも記念日の多い日なのだそうだ。さらに、花鳥風月を楽しむと題して、動物や鳥などにまつわる話、そして生活の中に生きている古典文学など、普段なにげなく接していることも、その意味をたどれば面白いものである。日本文化の奥深さ、幅広さを改めて実感できる一冊である。


●「「おくのほそ道」をたどる旅」 (下川裕治著、平凡社新書)

タイトル通り、芭蕉の「おくのほそ道」に沿って、深川から大垣までをたどった旅である。さすがにすべて徒歩ではなく、バスや鉄道など、また公共交通がない場合はタクシーも使い、その中で1日に1時間は歩くということにしたものである。もちろん当時のとおりの道を通ることは困難な箇所もあり、そもそも正確に分からないところも多い。ただし、おおよそのルートはなぞり、「おくのほそ道」に書かれた名所・旧跡は、全てではないが訪ね歩いている。改めてたどってみると、芭蕉が何に興味があって何に興味がなかったか、同行した曾良の役割、それぞれの土地で芭蕉が何をしたかなどが、分かってくるのである。そもそも「おくのほそ道」は、正確に旅程を記してはいない。省略しているところがあったり、時系列がずれていたりもする。そうした理由もおぼろげに想像できたりするのである。鉄道を使っても、近いルートはたどれるので、そのうち私もやりたいと思いつつ...


●「音楽家が語る音楽の哲学」 (大嶋義実著、講談社選書)

フルート奏者である著者による音楽論の本。フルート奏者であることから、まずは笛の音の持つ霊力のような話からはじまり、無いのに在る、在るのに無いという、ある意味不思議な音楽との交歓、そして音楽に現れる個性と普遍性の話、個性を売り物にする演奏家などいないと言うのは、なるほど説得力がある。さらに譜読について、響き合うこと、響きを合わせるということの意味などを書いている。コンピュータで完全に正確な「譜面通り」の音を再現しても「音楽」には聞こえない。楽譜は音楽そのものではないのだ。音楽からの呼びかけに応え、楽譜の向こう側にある音楽をよみがえらせることが演奏なのである。


●「鉄道会社はどう生き残るか」 (佐藤信之著、PHPビジネス新書)

鉄道会社は、現在厳しい状況に立っている。地方のローカル線の経営状況は言うまでもなく、都市部でもリモートワークの広がりなどで通勤需要が減り、さらにコロナ禍で旅行客も激減した。少子高齢化が進み、今後も増えることは考えにくい。今までのやり方では鉄道事業が成り立たなくなる恐れもあるのだ。そんな中、地方鉄道は集客につながるアイデアを打ち出したり、都市部でもより便利に快適になるよう、新たな路線網の整備などが進められている。ヨーロッパで進んでいる新たな鉄道事業の新自由主義化にも触れ、これは今後の鉄道事業のあり方のヒントにもなり得る。鉄道は日本の交通を支える大きな柱の一つであることは変わらないし、存続発展のための施策は必須なのである。
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