mixiユーザー(id:12784286)

2022年06月18日20:13

299 view

【音楽】 新日本フィル演奏会 〜ベートーヴェンと吉松隆

今日の午後は錦糸町に行った、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会だ。
プログラムは次のとおりである。

 ・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
 ・吉松隆:鳥は静かに・・・
 ・吉松隆:交響曲第6番「鳥と天使たち」

   指揮:キンボー・イシイ/ヴァイオリン:周防亮介
   会場:すみだトリフォニー (14:00 開演)

前半はお馴染みのベートーヴェンの名曲で、後半は吉松隆の作品である。吉松隆の作品を生で聴く機会はそう多くはないかもしれないので、これは是非行こうと思っていた。

まずは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲から始まる。ソリストの周防亮介の演奏を聴くのも初めてだ。とにかく外見の印象の強い人で、長髪に口紅と、知らない人だと女性に見えるかもしれない。衣装もジェンダーフリーな感じで登場し、一体どのような音を聞かせてくれるのかと期待する。ヴァイオリンのソロの前に、オーケストラによる長い導入部があるが、ここがどっしりとした感じで、最初から素晴らしい。ここは下手をするとダレがちになるが、そんな心配は全くなかった。さて、ヴァイオリンのソロが加わると、朗々とした音色で、豪快さの中に繊細さを秘めたような演奏であった。テンポを崩さずしっかりと刻み、聴かせどころはビシッと決め、終わってみれば素晴らしいの一言であった。

このあと、周防のソロによるアンコール演奏があり、ヴァイオリン独奏のアンコール曲の定番(?)、バッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番よりサラバンドを、じっくりと聴かせてくれた。

後半は吉松隆の作品である。録音では聴いていても、生で聴くのは2曲とも始めてだ。吉松の作品は鳥が多く登場し、今回も2曲ともタイトルに「鳥」が入る。「鳥は静かに・・・」は弦楽合奏によって演奏される曲で、あくまでも個人の勝手な感じ方だが、鳥というよりも、どこか人工物が何もない自然の中、そこは山でも海でもいいが、そんな場所に一人佇んでいるようなイメージが沸いてきた。CDでは印象にあまり残らずいつの間にか終わっていた曲というのが正直なところだったが、生で聴くと、聴きながらイメージが浮かぶのであった。あとで解説を読むと、ある演奏団体から亡くなった楽団員の追悼の曲を委嘱されて出来た作品ということだが、鳥が静かに去っていくようなイメージで作られたのだろうか

最後は交響曲第6番である。これは、冒頭こそフルートが鳥のイメージを表現するが、あとはなんだか混沌としてきて、もう何が何だかというのが、CDで聴いた時の第一印象であった。生で聴いても、それはあまり変わらなかったが、そもそもこれは吉松が遊び心を持って、過去の作品を振り返りつつ、いろいろな要素を盛り込んだもので、端からそういう作品なのである。第1楽章など、まさにその混沌の極みのようだったが、それがこのように生で聴くと、面白くて楽しめるのである。第2楽章には、他の作曲家の「交響曲第6番」の引用らしきものがいくつか現れ、こういうところが気まぐれな天使ということらしい。聴き終えてみると、すっかりお腹いっぱいになってしまいそうな充実した作品であった。聴いていて楽しかったのは間違いない。

演奏が終わり、指揮者が客席を指し示すと、そこには作曲家の吉松隆の姿があった。ベートーヴェンではこうはいかない。同時代を生きる作曲家の作品を聴くというのは、その作曲家自身に会うことも出来るということである。

今日も楽しい演奏会であった。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年06月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930