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2022年04月29日08:52

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「みすゞと雅輔」 (松本侑子著、新潮文庫)

童謡詩人として多くの作品を残した金子みすゞ。上山雅輔(正祐)は、みすゞを実の姉とは知らずに文学の友となり、好意を抱く。しかし、みすゞは遊び人の夫から淋病を移され、幼い子供を残して26年の生涯を自ら断った。すでによく知られた話だが、雅輔の直筆の日記が発見されたことで、それをもとに新たなみすゞ像を描き出す。これまでのみすゞの伝記では夫は完全に悪者扱いだが、必ずしもそうとは言い切れないところもある。そして雅輔自身の自堕落な生活もあった。雅輔と古川ロッパの関係など、みすゞの伝記だけでは出てこなかった話も登場する。私は、たまたま仙崎に行って金子みすゞを知ってから、作品に惹かれて全詩集も買ったし、いろいろ関係する本も読んだが、この本でまた別の視点が得られる。


●「音楽はお好きですか?」 (藤岡幸夫著、敬文社)

藤岡幸夫の指揮によるオーケストラの演奏を聴くことも何度かあり、たまたまこの本が出ているのを見つけて買ったもの。クラシック音楽は敷居が高いなんてことはないという書き出しにはじまり、藤岡氏の若い頃の話、小林研一郎や渡邉暁雄の弟子としての思い出、英国留学時代の話、初めて指揮台に立った時の話、シベリウス5番、ショスタコーヴィチ6番など好きな交響曲の話、「展覧会の絵」、「春の祭典」などへの思い入れ等々、演奏会におけるトークのように、堅苦しい話は抜きにして、緩く綴った本である。クラシック音楽の裾野を広げ、より多くの人に親しんでもらいたいという思いが、そこにはあるようである。


●「駅に泊まろう! コテージひらふの雪師走」 (豊田巧著、光文社文庫)

「駅に泊まろう」シリーズの第4作。桜岡美月が祖父のあとを継いでコテージのオーナーになってから二度目の冬である。今回は、コテージ唯一の雇人である亮が主役だ。札幌の五つ星ホテルの料飲部長がコテージを訪ねてくる。年末の多忙な時にシェフが倒れたので、亮に戻ってきてほしいという。亮がそんな超高級ホテルに関わっていたことすら美月には初耳。亮の幼なじみの女優まで登場して一騒動あったりもした。コテージは冬季は暇なので、亮を2週間だけ派遣することにしたが、亮は本当はこういうホテルで腕を振るいたいのでは? しかし、亮はこのコテージこそが自分の居場所だという。ところで、小説のモデルの宿のある比羅夫駅も、函館本線の廃止予定区間に入っており、実世界の方も目が離せない...


●「日本列島の下では何が起きているのか」 (中島淳一著、講談社ブルーバックス)

日本列島の下には2つの海洋プレートが沈み込んでおり、これが列島を形作ったもとになっている。そして、列島に地震と火山噴火をもたらす原因ともなっているのだ。すでにお馴染みのプレートテクトニクスのおさらいに始まり、日本列島がどのように形成されていったかを説明し、プレート内部で何が起こっているのか、プレートの境界で何が起こっているのか、火山の下では何が起こっているのか等々を詳細に解説する。さらに、地球内部に存在する大量の水の話や、東北地火山を形成する高温域、関東地方の下にある自身の巣などについても詳述する。日本列島は、世界に冠たる地震地帯、火山地帯にあるが、地面の下で起こっていることを見れば、それが良く分かるのである。

●「倒産続きの彼女」 (新川帆立著、宝島社)

デビュー作「元彼の遺言状」の続編。前作で活躍した剣持麗子と同じ弁護士事務所に所属する美馬玉子。高飛車な剣持とはタイプの違う、婚活に励むぶりっ子弁護士で、剣持には苦手意識を持っている。そんな彼女に依頼された仕事は、転職するたびにその会社が倒産するという、ある女性の一件。高級ブランド品に身をつつみ、身の丈に合わぬ豪華な生活をしていることが分かり、疑念が深まっていく。調査を進める中、その会社の総務課長の死体が発見される。やがて、その裏にある組織の存在が浮かび上がる。著者自身が弁護士でもあるので、弁護士を主役にしたミステリーはリアリティがありそうだが、「作中の法律論は誇張や省略を含むので、実際の事件処理にあたっては参考にしないで下さい」である。
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