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2022年03月27日21:27

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【音楽】 湯山昭の音楽 @東京オペラシティ

今日は初台にコンサートに行った。「湯山昭の音楽」と題するコンサートである。京王線の駅にあちこちにポスターが貼ってあるのをたまたま見て、行くことにしたのである。京王線に乗らなければ知らなかったコンサートである。京王電鉄が協賛しているのだ。

プログラムは次のとおりである。

 ・湯山昭:ヴァイオリンとピアノのための小奏鳴曲
 ・湯山昭:歌曲集「子供のために」より 「鳴子をひいても」、「ながぐつのお家」
 ・湯山昭:歌曲集「カレンダー」より
    「4月/牧場」、「6月/梅雨」、「7月/夏のレセプション」、「9月/黒い蝶」、
    「10月/秋なので」、「11月/空の瞳」、「3月/花の行列」
 ・湯山昭:ピアノ曲集「お菓子の世界」より
    「序曲 お菓子のベルトコンベアー」、「バウムクーヘン」、「柿の種」、
    「ショートケーキ」、「間奏曲1:むしば」、「ドロップス」、「チョコ・バー」、
    「クッキー」、「間奏曲2:どうしてふとるのかしら」、「ヌガー」、
    「ソフトクリーム」、「鬼あられ」、「チューインガム」、「甘納豆」
 ・湯山昭:マリンバとアルトサクソフォーンのためのディヴェルティメント
 ・湯山昭:男声合唱とピアノのための「ゆうやけの歌」

   福田廉之介 (ヴァイオリン)/ロー磨秀 (ピアノ)
   林正子 (ソプラノ) /石野真穂 (ピアノ)
   新垣隆 (ピアノ) /池上英樹 (マリンバ)/上野耕平 (アルトサクソフォーン))
   田中裕大指揮 ゆうやけ男声合唱団/和田太郎( ピアノ)
   湯山玲子 (ナビゲータ)

   会場:東京オペラシティ・コンサートホール (15:00 開演)

実は当初予定したプログラムから急遽変更になっている。出演予定だったオペラ・ユニット「THE LEGEND」のメンバー8人中5人が、新型コロナウィルスで発症したらしく、キャンセルせざるを得なくなり、彼らが歌うはずだった「愛の主題による三章」と「電話」が除かれ、その代わり「カレンダー」と「お菓子の世界」の演奏曲を増やした。さらに、「ゆうやけの歌」を、急遽集めた合唱団に変更してての演奏となった。

司会は湯山昭の長女の湯山玲子。童謡やピアノ曲や合唱曲で、子供の頃から親しんでいる曲は多い湯山昭だが、それ以外にも魅力的な作品があることを知ってもらいたいという強い願いから企画したという親孝行な演奏会である。

最初は福田とロー磨秀による、ヴァイオリン小奏鳴曲(ソナチネ)だ。湯山の芸大在学中の作品のことだが、これがなかなか素敵な曲だった。初めて聴く作品だが、プーランクにも似た雰囲気もあるように感じられた。演奏者はミヨーを感じていたらしい。いずれにせよ、フランス風味の作品といえそうだ。

続いては、林のソプラノと石野のピアノで歌曲を9曲。当初の予定より「9月」と「3月」を追加している。日本語の歌詞ではあるが、ちょっと言葉が聴き取りにくいところがあるのは、まあクラシックの歌い方からしてそうなるが、日本語の歌詞を西洋の音階にどう乗せるかという、山田耕筰以来続いている苦心がここでもあったのだという。正確に鼻濁音で歌うことにも注意したらしく、ちょっと切ないような雰囲気もある歌曲が、やはり素敵であった。

休憩のあとは新垣のピアノによる「お菓子の世界」である。聴いたことがある曲もあるような気がするが、こうやってコンサートでじっくり聴くのは初めてだ。それぞれのお菓子のイメージをピアノから思い浮かべるのは、タイトルとつき合せて聴かないと正直難しいが、楽しい曲集ではある。でも、子供向けの曲だと易しくしたりはせず、調性音楽を外れたような箇所もあり、子供が弾いても、こんな音楽もあるのだと新たな発見が出来るような曲だという。じっくり通して全曲をもう一度聴いてみたい気がする。

湯山玲子によれば、ここまでは穏やかなやさしい雰囲気の作品だが、このあと2曲は、アバンギャルドで暴力的な作品だという。その1曲目は、池上のマリンバと上野のアルトサックスによる二重奏だ。この楽器の組み合わせだけ見ても他に例があまりなさそうだが、曲の方も、クラシックという枠に収まらないような独特の雰囲気の音楽で、これも実に素敵な作品だった。結構最近は演奏する人も増えているらしいが、私は今日初めて聴いた。マリンバの池上によれば、簡単そうに聞こえるが、演奏する方は実に難しいそうだ。サックスの上野も、いつもは出さない音を出したという。演奏するたびに風景の変わる音楽とも言った。ジャズではないが、それに通じるところもあるのだろうか。

最後は、男声合唱による「ゆうやけの歌」だ。これこそ若い男性による合唱以外には有り得ないような、煽情的で過激な(?)合唱曲である。もともとは8声バージョンで演奏する予定だったが、出演者のキャンセルにより、本来の合唱形式になり、むしろ良かったのかもしれない。本番3日前に伝手を使って、早稲田大学と慶応義塾大学の合唱団メンバーから集めた34人の急造合唱団だが、男声合唱をやっている人なら大抵の人は歌ったことのある曲ということで、短いリハーサルのみでも、きちんと素晴らしい演奏が出来るのである。素晴らしい演奏だった。

最後に出演者全員が再びステージに上がり、今日の演奏会を締めくくった。そして、なんと会場には御年90歳の湯山昭がいて、立ちあがって会場の客先に挨拶。ちなみに、この演奏会は、昨年岐阜県高山で行われた演奏会の再演だそうだ。あまりにも素晴らしい演奏会だったので、是非東京でもという声が多かったのだそうだ。

湯山昭の作品の魅力を堪能した演奏会だった。
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