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2022年02月02日20:28

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「工学部ヒラノ教授のウィーン独り暮らしの報酬」 (今野浩著、青土社)

ORや金融工学の分野で活躍した今野氏は、大学教授を定年退職後は、物書きに転じた。「工学部ヒラノ教授」とは著者自身のことであり、研究者時代のさまざまな話を綴った本を多く出している。この本は、国際応用システム研究所(IIASA)の研究員として約半年を過ごしたウィーンの時の話である。日本に家族を残し単身で渡った「ヒラノ教授」。毎日家族に手紙を書く日々。同部屋のイタリア人は研究よりも女が好きな人で、ドタバタの日々。また、論文量産のすさまじいアメリカ人教授にも出会う。一方、それまで縁のなかったオペラにも通うようになり、にわか通になったりする。いろいろあったけれど、研究者人生においても、研究者を辞めて物書きになってからも、このウィーンの日々が、振り返れば大切な時間だったと「ヒラノ教授」は思うのであった。


●「言霊と日本語」 (今野真二著、ちくま新書)

言葉に宿っていると信じられていた不思議な力、あるいは言葉にあると信じられていた呪力ともいわれる「言霊」。その「コトダマ」という語が、いつ頃から使われ始め、日本語の中にどのように使われていたのかを、古くは「万葉集」に遡り、本居宣長・春庭父子や、富士谷成章・御杖父子などが、どのように読み解いていったのかを探りつつ、綴った本である。かなり学術的要素の強い内容で、門外漢の私にはなかなか難しい部分も多いが、江戸時代の国学者の研究を深く読み直すことによって、新たな発見もあるという。そもそも「言霊」は、言葉に「宿る」のか、言葉に「ある」のか。そこを突き詰めていくと、ことばの深奥に迫っていくのである。


●「キンモクセイ」 (今野敏著、朝日文庫)

法務官僚が殺害されたというニュースが入る。警察庁警備局警備企画課の隼瀬順平は、この事件に対処するための専任チームのリーダを命じられる。捜査本部も設置され、ビデオ映像から犯人が白人外国人らしいと思われ、外事一課と外事三課も加わるが、なぜか突然捜査本部は縮小され、外事課も手を引く。専任チームも何もしないまま解散となった。隼瀬らはこのことに不審をいだきつつ、独自に調査を続行するが、そこに浮かび上がった「キンモクセイ」というコードネーム。この背景には日米合同委員会も絡んだとてつもない陰謀が...。隼瀬の周囲も不穏な状態になり、隼瀬自身も追われる身になる。もはや誰が味方で誰が敵かも分からなくなる。今野敏のエンタメ小説、もちろんフィクションだが、最後までどうなることかと飽きさせないストーリー展開はさすが。


●「日本迷信集」 (今野圓輔著、河出文庫)

1965年刊行の本の文庫版。50年前の本だが、今読んでも面白い。いわゆる迷信と呼ばれるものは、日常生活の中に多数ある。死を告げるカラス、立つと縁起のいい茶柱などから、禁忌とされる行為、祈りやマジナイ、狐憑きや幽霊、迷信療法、丙午など暦に関する俗信、方角などに関すること等々、実にさまざまだ。それらを、科学的に根拠のないことだと嗤うのは簡単だが、長い伝統の中でいまだ引きずっているものも多いのである。若い人が年寄りの迷信を馬鹿にするが、その若者もジンクスだのゲン担ぎだのと言い、結局同じことなのだ。迷信は悪いものとして排除すべきものとも言えない何かがあるのだ。


●「じつは私たち、菌のおかげで生きています」 (今野宏著、ワニブックス)

種麹屋の社長で農学博士の著者による、発酵と微生物の話である。そもそも麹とは何なのかから始め、味噌や醤油の話、酒の話など、麹が食生活にどれだけ欠かせないものであるかを書いていく。さらに、カビやキノコの奥深い話、納豆やチーズやヨーグルトなど、お馴染みの発酵食品から、人と微生物は切っても切れない関係にあることへと話がつながっていく。こんなところにも麹菌などの微生物が関わっているのかという話も含め、結局我々は菌のおかげで生きているのだというタイトルになる訳である。土をちょっと掬うと、そこには地球上の全人類の人口を超える微生物が生きているのだ。まさに微生物の驚異的で深遠な世界なのだ。
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