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2019年03月02日23:46

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【音楽】 オーケストラ・トリプティーク演奏会 〜冬木透の世界

今日の夜はコンサートに行った。オーケストラ・トリプティークの演奏会である。オーケストラ・トリプティークの演奏会であれば、日本人作曲家の作品によるマニアックなプログラムであるに決まっているのだが、それにしても今日は鳥肌立ちっぱなしの素晴らし過ぎるコンサートであった。先に結論を書いてしまったが、今日のプログラムは次のとおりである。

 ・冬木透: ウルトラセブンのうた
 ・蒔田尚昊: ラジオドラマ「音楽の小箱」より「みづうみ」
 ・冬木透: Sieste
 ・冬木透: フルートとピアノのための協奏曲
 ・冬木透: ディヴェルティメント
 ・冬木透: 恋人たち
 ・冬木透: 希望
 ・冬木透: ララバイ・オブ・ダイゴロウ
 ・冬木透: 「ミラーマン」合唱組曲
 ・冬木透: 「帰ってきたウルトラマン」組曲
 ・冬木透: 「ウルトラセブン」組曲
 ・ウルトラセブン第49話「史上最大の侵略 後編」(ライブシネマ)

   �盒蕎�指揮 オーケストラ・トリプティーク/藤井麻里(ピアノ)
   ヒーローコーラス(男声合唱)/東久留米児童合唱団そよかぜ(児童合唱)
   会場: 大和田さくらホール (18:00 開演)

冬木透の音楽世界にどっぷり浸かれる演奏会である。冬木透といえば、「ウルトラセブン」、「帰ってきたウルトラマン」など、我々の世代なら子供の頃から親しんでいる、というより刷り込まれている音楽の作曲家である。本名の蒔田尚昊では合唱曲や讃美歌などの作品もある(蒔田は音大で作曲と宗教音楽を専攻した)が、やはり馴染みは冬木透の名で作曲した「ヒーロー音楽」だ。

演奏会の前にプレトークがあり、司会の樋口尚文さんに呼ばれて出てきたのは、満田かずほさんと中堀正夫さん。「プレトークの10分で終わるのは勿体ないような贅沢なゲスト」と司会が言うように、演奏会が始まる前から「ウルトラセブン」の最終回の話で早くも盛り上がる。そして、満田さんの発声による「フォース・ゲイト・オープン」で演奏会の開会宣言である。その前に司会者による「ウルトラ五つの誓い! 一つ、スマホや携帯の電源は切ること。一つ、演奏中の撮影や録音はしないこと。一つ、...」、 演奏会の一般的な注意事項だが、こんな言い方では演奏開始前から会場が盛り上がってしまうではないか。

1曲目は「ウルトラセブンのうた」である。児童合唱と男声コーラスが、オーケストラの伴奏で歌う。このあと、「最初からいきなり血圧が上がってしまった人も多いのではないでしょうか」と司会者が言うが、全くそのとおりなのであった。

続いては冬木透という名前を用いる前の作品ということで、「音楽の小箱」というラジオドラマの音楽である。これは初めて聴く曲である。ピアノで演奏される短い曲が2曲だが、フランス風のちょっと洒落た素敵な音楽だ。知らなかった小品が聴けたのもうれしい。

続いては冬木透の小品集だが、これは実は聴いたことがある曲ばかりである。ダンとアンヌが張り込みをしている駅前喫茶店の場面とか、ダンとメトロン星人が卓袱台をはさんで座っている場面、フクシンさんが星空を観察している場面等々、「ウルトラセブン」の劇中音楽でも使われている音楽ばかりなのである。「フルートとピアノのための協奏曲」など短いながらも素敵な音楽だが、聴くと「あの場面だな」と浮かんでしまう。でも、「ウルトラセブン」から離れた個別の作品として演奏されてもいい曲だと思う。最後の「ララバイ・オブ・ダイゴロウ」は「ウルトラセブン」ではなく「ダイゴロウ対ゴリアス」内の音楽だが、これも素敵な子守歌で、冬木透自身も特に気に入っている音楽とのことである。

続いては、再び合唱が加わり、「ミラーマン」組曲である。これも「あ〜さやけ〜の光の中に〜」と始まると、もう完全に冬木ワールドにどっぷりで、生で聴く「シュパダバダーン」も鳥肌ものだった。

「帰ってきたウルトラマン」組曲でも、演奏されるたびにその音楽が使われている場面が浮かんでくる。「MATのテーマ」は「ワンダバ」コーラス。これが生で聴けるとは! もう最高である。

休憩のあとは「ウルトラセブン」組曲だ。これも全く同様に、その音楽が鳴っている場面や台詞がほとんど全部の曲で浮かぶのである。「ウルトラセブン」は、冬木透による交響詩もあるが、それとはまた違う、実際に使われた形のままできるだけ再現した組曲ということで、もうこれは聴いていて楽しいとしか言いようがない。

これだけでも大満足の演奏会だっただろうが、実はメインプログラムはこのあとだ。オーケストラはこのあとはかなりハードらしいので一旦下がり、その間にトークが入る。ステージに現れたのはひし美ゆり子さんと西惠子さん。アンヌ隊員と美川隊員である。次回(もあるのか!)は「ウルトラマンエース」で、その時に西さんを呼ぼうと思ったのに、ひし美さんが連れてきてしまったらしい。もう50年前の番組なので、ひし美さんの年齢は...おっと、これは失礼。2人ともおきれいだ。西さんの「美魔女ぶり」は、樋口さんも直接本人に言ったりして、会場ともども盛り上がる。「演技が下手でも、音楽が加わるとよく見える。音楽の力ってすごいと思った」というのは、ひし美さん、西さん2人の一致したお話しであった。

最後は、「ウルトラセブン」第49話「史上最大の侵略 後編」をライブシネマ形式で演奏するのである。映像と台詞に、生の演奏が加わるのだ。オーケストラが揃い、演奏が始まる。オープニングが終わったところで、指揮者が「映像、出ていませんよ」とスタッフに聞く。どうやらアクシデントらしい。仕方ないので、また樋口さんが出てきて時間つなぎ。シューマンのピアノ協奏曲の話などをする。「ウルトラセブン」で使われているのは、リパッティ/カラヤンによるものであること、この音源と冬木オリジナル音楽を切り貼って作ったもので、これを生で通して演奏するのは難しいこと、だからオーケストラもピアニストも休憩が必要なのだということ、などを話しているうちに準備が整ったようで、演奏再開である。

オープニングから本編まで、もちろん合唱が入るところは合唱も入り、音楽だけが生演奏で加わりながら、第49話の映像が流れていく。そして、いよいよ「アンヌ! 僕は、僕はね、人間じゃないんだよ! M78星雲から来たウルトラセブンなんだよ!」  そこで、シューマンのピアノ協奏曲が流れる。こんな風にシューマンのピアノ協奏曲を生で聴くとは、以前は思いもしなかったなあ。

感動的な最終回を、生演奏の音楽でさらに感動的にして、これまた素晴らしいものだった。

さらにアンコール演奏まである。男声合唱団がまだステージに残っていたので、もしやと思ったら、やはりアンコールだった。「one, two, three, four,」で始まる「ウルトラセブンのうた」に「ウルトラ警備隊のうた」である。先ほどの組曲ではオーケストラだけだったので、最後は合唱付きでアンコールである。

冬木透さんも会場に来られていて、ステージに呼ばれる。3月で84歳になられるそうで、それをみんなでお祝いしようと、会場の全員参加で「ワンダバ」、そして最後は「ウルトラセブンのうた」を会場全員で歌って、これで終わりとなった。冬木先生、「今まで聴いた中で最高のワンダバだった」とのこと。


今日の演奏会を聴いて、やはり私の音楽の原点の一つは冬木透なのだなと思った。もう一つの原点は伊福部昭。伊福部昭の作品を聴く機会は多いが、冬木透はほとんどなく、今日は貴重な演奏会だった。次回もあるらしいので(いつかは不明だが)、期待大だ。
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