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2019年02月02日21:48

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【音楽】 日本人作曲家の作品を聴く (その7)

ここのところ、週末恒例となった「日本人作曲家の作品を聴く」シリーズ。今日も午後からは、手持ちのCDを引っ張り出して、日本人作曲家による音楽に浸った。

●伊福部昭
 ・日本狂詩曲
 ・交響譚詩
 ・古代日本旋法に依る蹈歌

   山田一雄指揮 東京交響楽団 (1961)
   阿部保夫 (ギター) (1969)

伊福部の作品は生で聴いたことがあるのも多いが、自宅CD鑑賞でも最初に聴こう。「日本狂詩曲」は、ヴィオラのソロで弾かれる「夜想曲」の旋律にしみじみと聴き入っていると、続いての「祭り」で盛り上がって身体が勝手に動いてしまう。「交響譚詩」も律動的楽章と旋律的楽章の組み合わせで、雰囲気的には「狂詩曲」と1曲目と2曲目を逆にしたような感じ。「蹈歌」は持統天皇の時代からの旋法を現代のギターで奏するもの。運指法も通常のギター奏法とはかなり異なる指定があるらしい。「交響譚詩」をギターで弾いているように聞こえる箇所もあり面白い。


●諸井三郎
 ・交響的断章
 ・ピアノ協奏曲第2番
 ・交響曲第3番

   山田一雄指揮 東京都交響楽団/園田高弘 (ピアノ) (1987)

諸井の作品も、交響曲第3番は生で聴いたことがある。その時の演奏が実に素晴らしく、この曲の良さを再認識した次第である。そこで、この曲を含むこのCDを久しぶりに聴いた。交響的断章は、「断章」なんて付いていると中途半端な未完成作品のように思えてしまうが、雄大にして神々しいといってもよい作品である。諸井の作品の多くは「祈り」になっていくのだというが、ピアノ協奏曲第2番も、交響曲第3番も最後はまさにそのようであり、第3楽章は最後は天上にも昇っていくような穏やかな天国的音楽になっていく。


●幸田延
 ・ヴァイオリンソナタ第1番
 ・ヴァイオリンソナタ第2番
●松島彜
 ・プレリュード
 ・一茶
●吉田隆子
 ・カノーネ
 ・青年の歌
 ・ヴァイオリンソナタ ニ調
 ・お百度詣
●増本伎共子
 ・ソロ・ヴァイオリンのための4つの小曲
●金井喜久子
 ・てぃんさぐの花変奏曲
 ・沖縄県民謡「黄金燈籠」 (金井喜久子編曲)

   沼田園子 (ヴァイオリン)/蓼沼明美 (ピアノ)/大倉礼加 (ヴァイオリン)  (2015)

女性作曲家の作品を収めたCDである。幸田延のヴァイオリンソナタは「日本人初のクラシック音楽作品」といわれる作品だが素晴らしい。松島彜の「プレリュード」は日本的情緒な曲、「一茶」は有名な俳句にインスピレーションを得て作ったピアノ組曲で、イメージが浮かぶようだ。吉田隆子の「青年の歌」は2つのヴァイオリンのための曲で、「同志よ固く結べ」がベースになっているなど吉田らしい。ヴァイオリンソナタは、先日も登場したが、やはり暗くて重い感じの曲だ。「お百度詣」はしんみりとした作品。増本伎共子は「バルトークを手本にした」そうで、なんとなくハンガリー風? 金井喜久子の「てぃんさぐの花変奏曲」は、元々はフルート用の曲だが、ヴァイオリンで聴いても楽しい。


●牧野由多可
 ・ピアノと弦・打楽器のための浄瑠璃幻想
 ・マンドリン協奏曲
 ・尺八、二十絃とオーケストラのための悲曲変容
 ・ピアノ協奏曲第2番

   飯森範親指揮 東京交響楽団
   瀬尾真喜子 (ピアノ)/竹内郁子 (マンドリン)/三橋貴風 (尺八)
   吉村七重 (二十絃)                          (1996)

牧野といえば現代邦楽ということだが、このCDはオーケストラ作品が中心だ。しかし、やはり邦楽の感覚を取り入れた作品である。「浄瑠璃幻想」は実質ピアノ協奏曲だが、「日本的感性を興のおもむくままに表現したかった」ので、協奏曲とはあえてしなかったとのこと。マンドリン協奏曲とは珍しいが、マンドリンが三味線のお囃子のように聞こえる部分もあり面白い。「悲曲変容」は、尺八と二十絃箏が絡み合う幻想的な曲。ピアノ協奏曲第2番は、邦楽器は登場しないが、日本の祭りの民族的で粗野なエネルギーを表現したものであるという。師山田耕筰の「西洋化」に対し、牧野は「日本化」に還元したのである。


●芝祐靖
 ・雅楽組曲「呼韓邪單于」 ―王昭君悲話―

   伶楽舎   (2011)

「漢の元帝より美女、王昭君を賜った匈奴の王、呼韓邪單于。憂愁の心を湛えて異郷の民に尽くす王昭君」−王昭君の伝説を、古典雅楽様式による組曲として作ったのがこの作品である。雅楽による壮大な交響詩とでもいうような曲だ。演奏時間も60分に及ぶ。邦楽器を使う日本の作曲家は多いが、芝の作品は雅楽そのもの、千年の伝統を現代に継承するものである。


●外山雄三
 ・管弦楽のためのラプソディー ��
 ・沖縄民謡によるラプソディー ��
 ・交響詩「まつら」 ��
 ・フルートとオーケストラのための幻想曲 ��
 ・花を捧げる ��

   外山雄三指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 ��(1998)
   外山雄三指揮 仙台フィルハーモニー管弦楽団 ��(1998)
   渡邉暁雄指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 ��(1985)
   外山雄三指揮 新星日本交響楽団/村田四郎 (フルート) ��(1989)
   外山雄三指揮 日本フィルハーモニー交響楽団/成田繪智子 (メゾソプラノ)  ��(1977)

純日本音楽のあとは、日本民謡の旋律がたっぷりのこのCD。日本人作曲家の作品では最も演奏回数が多いといわれる「ラプソディー」。日本人なら誰でも知っている旋律が次々に展開し、最後は「八木節」で盛り上がる。民謡寄せ集めではなく一つの民謡を徹底的に用いたのが「沖縄民謡によるラプソディー」だ。「まつら」は佐賀県唐津市の松浦。ここでは松浦地方の民謡やわらべ歌が題材になっている。雅楽的響きもあって面白い。「幻想曲」は珍しく(?)特定の民謡を用いていないが、どこか民謡に通じるような雰囲気を醸し出している。「花を捧げる」は、土井大助の詩に付けた、広島と長崎の原爆をテーマとした歌である。


●弾厚作
 ・ピアノ協奏曲第1番「父に捧げるピアノコンチェルト」

   森岡賢一郎指揮 N響団友オーケストラ/羽田健太郎 (ピアノ)  (1991)

外山雄三と似た名前の芸能人がいた気がする。そんな訳で、今日の最後はこの曲でしめる。ラフマニノフを上手に取り入れた曲といえようか。オーケストレーションには森岡氏が、ピアノ・パートには羽田氏がかなり手助けしたらしいことが想像できるが、まあそれはどうでもよい。オーケストラの定期演奏会のプログラムに載ることがもしあれば、一度聴いてみたい気もする。


さて、このシリーズはいつまで続くのだろう。まだ、取り上げていないCDはたくさんあるけれど、その10あたりまでかな。
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