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2018年10月07日21:29

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【音楽】 東京交響楽団演奏会 @ミューザ川崎

今日は10月とは思えない暑さだった。台風で暴風雨に見舞われるのはいやだが、季節外れの暑さもいやだ。さて、今日は昨日に続きコンサートに行った。今日はプロのオーケストラ、東京交響楽団の演奏会である。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・深井史郎: 架空のバレエのための三楽章
 ・早坂文雄: ピアノ協奏曲
 ・小山清茂: 弦楽のためのアイヌの唄
 ・伊福部昭: シンフォニア・タプカーラ

   指揮:大井剛史/ピアノ:阪田知樹
   会場:ミューザ川崎シンフォニーホール (14:00 開演)

このプログラムでは行かない訳にはいくまい。といっても聴いたことがあるのは早坂、伊福部の2作品のみで、深井、小山の作品は今日初めて聴く。それも楽しみだ。早坂と伊福部は、同じ1914年生まれで、札幌で三浦淳史も含めた3人で「新音楽連盟」を結成し、当時の日本ではほとんど知られていなかった作曲家の作品を演奏家として日本初演したり、自作の発表演奏会を開くなど、お互いに刺激し合った。西洋古典音楽とは違う、東洋・日本に根差した音楽を目指したが、2人の作風は対照的だ。ストラヴィンスキー系(?)の伊福部に対し、ドビュッシー系(?)の早坂。なお、小山も同じ1914年生まれで、今日のプログラムは伊福部と「アイヌがテーマの音楽」つながりでもある。

まずは深井の「架空のバレエのための三楽章」から始まる。この曲は、プログラムの解説にもあるように、ラヴェルへ傾倒していったことが感じられるような作品だった思う。第3楽章の賑やかな「踊り」は早くも会場を熱気に包み込んだ。

早坂のピアノ協奏曲は、CDで聴いた限りでは正直よく分からなかった。第1楽章の長いLento楽章でだれてしまうと、突然賑やかな第2楽章になって何がなんだかという感じだったが、生で聴くと感じ方が変わるものである。なんと素敵な第1楽章であったことか。ピアノの阪田氏も、弱音を美しく弾き、会場で聴いている我々をぐっと引き込む。ピアノとオーケストラもしっかりと合わさっていた。第2楽章は早めのテンポで軽快に響き、最後まで堪能することが出来た。早坂のピアノ協奏曲がこんなに素晴らしい曲だったとは! 早坂作品は伊福部作品に比べて不当に演奏頻度が少ないように思うが、もっと演奏されてもいいのではないか。

このあとは阪田氏のソロでアンコール。早坂作品のあとに何を演奏するのかと思ったら、武満の「雨の樹素描II」だった。早坂作品から武満作品への流れが違和感ない選曲だと思う。日頃、武満作品は苦手と言っているが、こういう素敵な演奏を聴くと、認識を改めねばならない。

休憩のあとは、小山の「アイヌの唄」だ。弦楽合奏と打楽器だけで演奏される6分ほどの曲だ。チェロが使う靴ベラ(ピッチカートを靴ベラで弾くよう楽譜に指定があるらしい)を、演奏前に奏者が床にベシッと落とし、ステージ上からも客席からも笑いが起きた。これでリラックスしたのか、小山作品も素晴らしい演奏だった。アイヌの唄ということで、どこか伊福部作品にも通じるような雰囲気の曲で、まさに大地の歌ともいうべきアイヌの音楽を堪能させてくれた。

最後は伊福部の「タプカーラ」だ。この曲は生でも何度も聴いているが、何度聴いても飽きることがない。今日の演奏は、打楽器の強打が印象的だった。それゆえか、新鮮な響きを持って聴くことが出来た。こうもズシンズシンと太鼓陣が響く「タプカーラ」は、まさに原始のリズムたるアイヌの「タプカーラ」らしくて良かったと思う。もちろん太鼓ドンドンだけではない。第2楽章の美しさは絶品だった。第3楽章は最後は大爆発して、会場を興奮の渦に巻き込んだ。もちろん演奏終了後は割れんばかりの拍手の嵐。なんだかすごい演奏を聴いたという、満足感十分の演奏であった。

このような日本人作曲家作品だけのプログラムでも客は大勢入り、大成功の演奏会になるのである。自国の作曲家の作品を演奏するコンサートが、21世紀になってようやく普通になったのだなと感じた次第である。

会場のミューザを出ると、旧国鉄の川崎変電所の遺構がある。ミューザは川崎変電所の跡地にあるのだ。この川崎変電所が作られたのは1914年である。1914年にゆかりの場所で1914年生まれの作曲家の演奏会を行ったというこの符合は、おそらく気付いた人は少ないだろう。
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