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2018年05月08日20:47

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

連休中は夏日が続いたと思ったら、休み明けは冬に逆戻りのような寒さ。それとは関係ないけど、ほぼ1ヶ月おきに書いている読んだ本の備忘的メモ。


●「江戸の科学者」 (新戸雅章著、平凡社新書)

近代科学は西洋で生まれ、日本では明治以降にそれらを輸入して発展させたと思いがちだが、実は江戸時代に日本にも世界に匹敵する優れた科学者は多数いた。彼らがいなければ日本の近代科学は生まれなかったとさえ言える。この本では、高橋至時、志筑忠雄、橋本宗吉、関孝和、平賀源内、宇田川榕菴、司馬江漢、国友一貫斎、緒方洪庵、田中久重、川本幸民の11人を挙げて、それぞれの業績や波乱万丈の生涯を記している。この当時の科学者は、現代のような専門性に特化していず、様々な分野(必ずしも科学だけとは限らない)に関心を持ち、業績を残しているのである。まさに日本の近代科学の礎を気付いた人々である。個人的には、田中久重が取り上げられているのも嬉しい。


●「鉄道復権」 (宇都宮浄人著、新潮選書)

自動車や航空機に取って変わられ、斜陽産業と言われつつあった鉄道が、21世紀になって再び急成長を遂げている。ヨーロッパでは、長距離では高速化だけではなく快適性も追求しており、また都市交通ではLRTの発展が著しい。鉄道の持つ可能性を最大限に生かした大転換が進んでいるのだ。高齢化社会や環境問題、地域再生などの側面から、最も適した公共交通機関であるという認識が深まっている。一方、日本ではまだ鉄道の「新たな効用」に気付かず、地方のローカル線の廃止なども進んでいる。しかし、富山のように「欧州的大転換」を進めた都市もある。日本の鉄道も「脱・自動車中心社会」の到来の可能性は十分にあり、そのことにようやく気付きはじめてきているといえる。


●「リヒテルは語る」 (ユーリー・ボリスフ著/宮澤淳一訳、ちくま学芸文庫)

著者のボリスフは演出家・映画監督で、スヴャトスラフ・リヒテルの知遇を得て、自宅などにたびたび招かれた。そこでリヒテルが語った内容をまとめたのが、この本である。話題は音楽に限らず、文学や絵画や建築など、あらゆる芸術・文化にわたる。かしこまったインタビューでは得られないような自由な発言だけに、内容は興味深いものばかりだ。作品の「解釈」も、かなり独特な比喩や連想に満ちており、ありきたりの作品論ではない。リヒテルの演奏のCDも、この本を読んでから聴くと新たな発見がありそう。


●「世界は素数でできている」 (小島寛之著、角川新書)

素数に関しては、意味は中学生でも分かるのに未解決な問題が多々あり、それはそれは奥が深く、多くの数学者を魅了しつづけている。全宇宙に存在する原子の数など問題にならないくらい大きな素数も発見されている(※)。過去に証明された素数に関する定理も、現在のインターネット社会には欠かせない暗号に応用されていたり、量子コンピュータにもかかわってきたりして、突き詰めれば世界の成り立ち、宇宙の真理へたどり着くのだ。ゼータ関数がまさにその扉を開くのだ。しかしながら、ゼータ関数に関する「リーマン予想」は、いまだ未解決の難攻不落の問題だ。これが証明できれば、「○○○予想」の多くは解決するのだが...
 (※)この本の出版後に「発見された最大素数」が更新されている。


●「地形を感じる駅名の秘密 東京周辺」 (内田宗治著、実業之日本社)

東京の鉄道の駅名には、「山」、「谷」、「丘」など、地形を表すものが多い。東京の地形は意外と起伏があり、山手線などは6つも峠を越える。東京の駅名を見て行くと、JRの駅には「○○山」はないのに、私鉄には「○○山」や「○○ヶ丘」が多いことが分かる。「谷」の付く駅、たとえば渋谷など擂鉢の底に駅があるようなもので、だから地下鉄銀座線も地上に出てしまうのだ。必ずしも地形に忠実な駅名だけではなく、各鉄道会社の駅名の付け方の思想の違いや、時代による「はやり」のようなものもあるようだ。「○○ヶ丘」はイメージ先行の駅名が多いのは、言われるまでもない。
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