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2017年10月03日20:17

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘録、

●「幻の黒船カレーを追え」 (水野仁輔著、小学館)

いまや日本の国民食ともなったカレーだが、カレーはインドからイギリスを経由して明治期に日本に伝わったとされている。そのカレーのルーツを追って、明治期に開港した日本国内の港々をめぐり、イギリスに渡ってロンドンのパブを巡り、パリやベルリンにまで足を運ぶが、どこに行っても決め手がない。イギリスや欧州ではカレーはメジャーではないのに、日本では「欧風カレー」なるものが存在するのも不思議だ。そして、ルーツ探しの旅を諦めかけた頃、ふとしたことでアイルランドにそのルーツをついに発見! しかし、アイルランドで普及しているカレールーはメイド・イン・チャイナ...。再びふりだしに戻った。4年をかけ、会社も辞めて、日本のカレーのルーツを追い続けた壮大な旅の記録である。カレー好きな人には薦めたい本だ。


●「海に沈んだ大陸の謎」 (佐野貴司著、講談社ブルーバックス)

ムー大陸、アトランティス大陸など、海底に沈んでしまった大陸の伝説がある。これらはオカルトじみた空想話ととらえておけばよいが、実際に存在したのかを地質学的に検証したのがこの本である。地理学では大陸と海洋の違いは海面より上か下かであるが、地質学ではそれは関係ない。岩石構成の差異で大陸地殻と海洋地殻を分けるのである。そもそも大陸とは何か、大陸がどのように形成され、どのように変化してきたかを、地質学の専門的な解説を加えながら記している。結論をいえば、ムー大陸もアトランティス大陸も存在しない。しかし、ニュージーランドを含む「ジーランディア大陸」が今注目されているという。地質学的には「大陸」といえるのだ。「94%が海底にある大陸」である。


●「宇宙からいかにヒトは生まれたか」 (更科功著、新潮選書)

宇宙創成から地球の誕生、そして生物が現れ進化して、ヒトが登場するまでの、壮大な「歴史書」である。「宇宙だけ」、「生物だけ」という本は多々あるが、両方を織り交ぜた本は他にあまりないようだ。とかく人間中心に考えがちだが、もっとマクロな視点に立つと、ホモ・サピエンスという生物が、進化の果ての最後の生物でないことが分かる。宇宙は人類のために誕生したのではなく、たまたま地球環境がヒトの生存条件に適しているだけなのだ。これまで類書を何冊か読んだが、それらを1冊にまとめたような本である。さて、ヒトの次は、どのような生物が地球を支配するのだろうか。


●「私のヴァイオリン 前橋汀子回想録」 (前橋汀子著、早川書房)

日本を代表する女性ヴァイオリニストの一人、前橋汀子さんの演奏活動55周年記念出版の回想録である。オイストラフの演奏を聴いて、「ソ連に行きたい!」と願い、冷戦下で当時は行くことすら困難だったソ連に行き、共産圏以外の国からの初の留学生としてレニングラード音楽院で学ぶ。そこでは錚々たる音楽家たちと出会い、ひたすら研鑽に励んだ。さらにアメリカに渡りジュリアード音楽院で学び、スイスでシゲティに師事する。その後は日本を拠点に演奏活動を続けている。そして、名器ガルネリウスとの出会い。これまでのヴァイオリニスト人生を綴ったもので、さらりと書いてあるが、結構すごい経験をしてきているのだと分かる。これを機会に、久しぶりに前橋さんの演奏を聴きに行こうと思う。


●「日本の色を知る」 (吉岡幸雄著、角川文庫)

自然の植物染だけを使い、日本の伝統色を追求している染物業の著者が、季節や折々の行事にまつわる色を、「源氏物語」などの物語や歌などに絡めて綴った本である。四季おりおりの色、さらには二十四節気それぞれにちなむ色など、日本人が古くから親しんできた色についての想いを語っている。美しいカラー写真も添えられ、視覚的にも楽しい本だ。日本人の生活に溶け込んだ伝統色は、日本の豊かな自然に根差している。日本は本当に素晴らしい国だと、改めて実感出来る本である。
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