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2017年09月24日19:39

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【音楽】 新日本交響楽団演奏会 〜オルガンとともに

秋分の日を過ぎ、いよいよ秋である。そんな秋の休日の午後、またまた演奏会に行ってきた。新日本交響楽団の定期演奏会である。新日本交響楽団はプロオケかと思ったらアマオケである。それぐらい実力のあるオーケストラで、今回が第99回の定期演奏会になる。すみだトリフォニーで演奏会をすることが多いので、それならあのパイプオルガンを存分に使おうと、今回のプログラムになったという。

 ・C.サン=サーンス: 糸杉と月桂樹
 ・J.S.バッハ: パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582 (レスピーギ編曲)
 ・C.サン=サーンス: 交響曲第3番

   指揮:橘直貴/オルガン:梅干野安未
   会場:すみだトリフォニー (13:30開演)

オルガンが入った管弦楽作品として、真っ先に浮かぶのはサン=サーンスの交響曲第3番だろう。しかし、サン=サーンスにはもう1曲、オルガンと管弦楽による作品がある。それが「糸杉と月桂樹」だ。有名な交響曲第3番に比べると知名度は低いかもしれないが、隠れた名曲といえる作品である。これが一度に聴けるのが今日の演奏会だ。「糸杉と月桂樹」が聴けるので、今日は行くことにしたのである。

オルガンの梅干野さんは初めてお聞きする名前である。そもそも何て読むのか? うめぼし...? 「ほやの」さんとお読みするそうである。1曲目から梅干野さんがオルガンの前に座っている。トランペット6人も、オルガンの横に3人ずつに分かれて待機している。オーケストラのメンバーが揃い、音合わせが終わり、指揮者がステージ上に登場し、さて演奏開始だが、ステージ上は照明が落とされ、オルガンにだけ照明が当たる。「糸杉」はオルガン独奏である。「糸杉」は死や哀悼を表し、「月桂樹」は勝利や栄光を表す。この2つの組み合わせがどのような意図かはっきりしないそうだが、戦争で犠牲となったフランス兵士への鎮魂が「糸杉」、フランスの栄光と勝利の凱旋が「月桂樹」ということのようだ。

梅干野さんのオルガン独奏による「糸杉」は、深い悲しみを表現した素晴らしい演奏で、何かグッとくるようなものがあった。「月桂樹」になると一変して、トランペットが輝かしいファンファーレを奏で、オルガンが重厚な響きで絡み、オーケストラがさらに厚い響きを加えていく。途中のトランペットはソロで演奏され、最後はまた6人になる。こういうことも今さらながら分かった訳で、生で聴くとこういう効果もある。トランペットのソロの音が若干オルガンに負けていたような箇所もあったが、全体として素晴らしい演奏であった。生で聴く機会の少ない「糸杉と月桂樹」を十分に堪能することができた。

続いては、バッハの「パッサカリアとフーガ」である。お馴染みの名曲であるが、本来のオルガン独奏ではなく、レスピーギが管弦楽に編曲したものが演奏される。冒頭の主題がチューバで奏でられ、このあと様々な楽器が絡んでいく。管弦楽編曲版は初めて聴いたが、全く違和感なく聴けた。まるで最初からこのように作られていたかのようだ。バッハにはこのような大編成のオーケストラ作品はないだろうが、オルガンという楽器は、大編成オーケストラに匹敵するものだなと思う。この曲ではオルガンは休みなのかと思ったら、少しだけ絡むところもあった。ただし、この編曲版の主役はあくまでもオーケストラで、少し補助的に入るだけだが。

休憩のあとはサン=サーンスの第3番だ。これは圧巻の名演であった。重厚なオーケストラと壮麗に鳴り響くオルガンによる派手な交響曲というイメージではなく、緻密に構成された作品であるということを改めて気付かせてくれたような演奏であった。第1楽章第2部の美しさ! うっとりと聴き入ってしまった。オルガンの音が心を癒してくれるようであった。そのオルガンが、第2楽章第2部では、天上から鳴り響くような音響を奏で、劇的に展開していく。演奏が終わった瞬間、大拍手喝采であった。サン=サーンス第3番は、こうやって生で聴くと、やはりいいものである。

アンコールは、バッハの「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」である。これもお馴染みの曲だ。指揮者が指揮台に立ったのに、オルガン独奏の曲だったとは、と思っていたら、途中から弦楽が加わり、ついで管楽器も加わって、大オーケストラによる演奏になった。だんだんと盛り上がっていく。誰の編曲によるものか不明だったが、なかなか面白い「目を覚ませ」だった。

オーケストラの演奏会で、最初から最後まで、アンコールを含めて、オルガンが出っぱなしのプログラムというのも珍しいかもしれない。それだけに、充実感がいっぱいだった。
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