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2017年08月27日20:47

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【音楽】 神奈川フィル・華麗なるコンチェルト〜偉大なる自然への憧憬

今日は、横浜にコンサートを聴きに行った。神奈川フィルハーモニー管弦楽団の「華麗なるコンチェルト・シリーズ」第2回である。今回のテーマは「偉大なる自然への憧憬」で、プログラムは次のとおりである。

 ・R.フォルクマン: 弦楽のためのセレナード第2番
 ・J.ブラームス: ヴァイオリン協奏曲
 ・千住明: ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための「四季」
 ・千住明: ヴァイオリン協奏曲「リターン・トゥザ・フォレスト」

   指揮:柴田真郁/ヴァイオリン:千住真理子
   会場:横浜みなとみらいホール (14:00 開演)


「偉大なる自然への憧憬」がテーマであり、メインプログラムに千住明の作品が置かれている。フォルクマンとブラームスも、その「自然への憧憬」につながる作品という訳である。つい先週の日曜日、千住明のオペラ「滝の白糸」を聴き、そこで「普段、千住の作品はほとんど聴いていないし馴染みが薄い」と書いたが、2週続けて千住明の作品を演奏会で聴くことになるとは予想していなかった。何か面白そうなコンサートはないかなと、たまたま神奈川フィルのサイトを見たら、この演奏会の情報があったのである。「ほら、この曲なら知っているでしょ。聴きに行きなさい」と誘導されたような気がした。

会場はほぼ満席である。やはり千住真理子さんの人気によるところが大きいだろう。1曲目は、弦楽だけで演奏されるフォルクマンのセレナード第2番だ。実は全く初めて聴く曲である。フォルクマン自体あまりよく知らず、1曲目から初めて聴く楽しみがある。今回のテーマ「自然への憧憬」から想像できたように、穏やかで優雅な、自然に流れるような音楽で、聴いていて実に心地よい。このような素敵な曲を新たにまた一つ知ったことは収穫である。フォルクマンは、シューマンやブラームスとも親交があったドイツ・ロマン派の作曲家なので、好みの領域であることは間違いなさそうだ。ちょっとCDでも発掘してみようと思う。

このあとは、全てヴァイオリンのソロが加わる曲で、ここで千住真理子さんが登場する。まずはお馴染みのブラームスの協奏曲だ。今日はこの曲はおまけみたいなものだと思っていたが、聴いてみると、これがなかなか楽しめた。千住真理子さんの演奏を生で聴くのは、初めてかもしれない(記憶にない)。どんな演奏かと期待していたら、独特の音色が良い雰囲気を出していて、「自然への憧憬」をテーマにした演奏会らしいブラームスになっていた。オーケストラの方はしっかりと要所を押さえていくような演奏であった。第1楽章のヴァイオリンソロが入るところで、オーケストラの音に溶けこんでしまったような感じで、おや?と思ったし、難しい箇所(たくさんある)では、一生懸命に弾いているという感じで、外見から勝手に想像していた、クールに弾く印象とは違っていた。第2楽章は美しい。ここが一番良かったと思う。聴きなれたはずのこの曲も、千住真理子さんの演奏で、新鮮に感じた。

休憩のあとは千住明の協奏曲が2曲演奏される。「四季」は、実は以前に何度か聴いている。羽田空港第2ターミナルが出来た時に、千住博がアート・ディレクションをつとめ、空港ターミナルに千住博の絵画が展示され、千住真理子が弾く千住明の「四季」が流れていたのである。唯一持っている千住明のCDも、この時に買った「四季」や、このあと演奏される「リターン・トゥザ・フォレスト」が入ったものである。それゆえ、BGM的な音楽という認識に近かったので、生で聴く機会があるとは思わなかった。もちろん、この曲のヴァイオリンソロは千住真理子以外には有り得ないだろう。

「四季」は弦楽オーケストラとヴァイオリンソロで演奏される。「春」、「夏」、「秋」、「冬」の4つの楽章からなる。素朴で美しい音楽であり、「日本の水墨画のような音楽」という形容が当たっている。真理子さんも完全に自分の音楽として演奏しており、聴いていて心が落ち着く。こんなに素敵な曲だったのかと、今さらながら気付いたりした。

「リターン・トゥザ・フォレスト」は管楽器も加わってのヴァイオリン協奏曲だ。2つの楽章からなる。「四季」よりも、さらに森の奥に入っていくような、ひんやりとした澄んだ空気を吸い込むような音楽である。プログラムに「兄妹たちの作品や演奏を見ると自分が表現したい世界と重なる。兄・博の絵画の中には僕の音楽と同じ空気が流れている。妹・真理子のあの独特なヴァイオリンの音色は僕にとってもヴァイオリンそのものである」との千住明の言葉が書かれているが、それが分かるような演奏会であった。

このあと、客席にいた千住明さんがステージ上に呼ばれた。千住明さんはマイクを取って、「素晴らしい演奏をありがとう」と、指揮者とソリストに言った。さらに、千住博さんも来ているという。明さんが「兄とは年に1、2回しか会えないのですよ」と言い、ステージ上に呼ぼうとしたが、音楽家ではないので遠慮したようだ。すると真理子さんがマイクを取って会場に手を振り、「お兄ちゃ〜ん、元気〜?」と、まるで女子高生のような...。ちょっとイメージと違うなあ。

今日はアンコール演奏もある。千住明の「風林火山 大河流々」であるが、ここで指揮者は千住明さんがすることになった。ヴァイオリンソロはもちろん千住真理子さんである。これも素晴らしかった。兄妹息の合った演奏である。

千住兄妹が、それぞれの分野で活躍しながら、互いに刺激しあいつつ良いものを作っていっているような、そんな感想を持った演奏会であった。

日曜日の横浜は人出が多いが、ちょっと近くをぶらぶらして帰った。
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