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2017年08月13日09:29

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘録的メモ。

●「地球外生命」 (長沼毅/井田茂著、岩波新書)

近年、銀河系の多くの星のまわりで惑星系が発見され、地球に似た惑星はありふれた存在であることが分かってきた。すると、生命は存在するのかということに興味がいく。多くの生物学者は地球外生命の存在には懐疑的である。多くの天文学者は地球外生命の存在は当然の理とする。その典型的生物学者と典型的天文学者の共著で、まずは地球生命の誕生や進化の経緯などを検証し、それを受けて太陽系惑星さらに系外惑星の生命存在の可能性などを論じている。あとがきで生物学者の長沼氏は「地球外生命の可能性はある。これからは懐疑派の生物学会にも広めていこう」となり、天文学者の井田氏は「存在を検証できる地球外生命の存在確率は限りなく小さいと、少し弱気になった」と、共著者同士でお互い影響があった(?)ようである。


●「火山で読み解く古事記の謎」 (蒲池明弘著、文春新書)

「古事記」はなぜ日向と出雲を主な舞台としているのかを考えてみると、「古事記」と火山の関係が浮かび上がってくる。古事記神話は火山の風景と一体といえるほど結び付いているのだ。「天の岩戸隠れ」は、縄文人による鬼界カルデラ噴火の記憶と結びつけられる。スサノオの高天原での乱暴狼藉、地上におりてのヤマタノオロチ退治、イザナミの黄泉の国、コノハナサクヤヒメの出産、ヤマトタケルの熊襲征伐等々、「古事記」の話は、ことごとく火山と結びつけられる。実におどろくほど符合しているのだ。「古事記」に関する本はいろいろ読んでいるが、これは面白い視点で書かれた本であり、興味深い内容だ。


●「宮沢賢治の真実」 (今野勉著、新潮社)

「猥れて嘲笑めるはた寒き」−この詩との出会いから、宮沢賢治の探訪を始めた著者が、これまでの賢治像とは違う視点で、その人生に迫っていくという本である。童話作家で詩人、農学者としての顔も持つ賢治だが、妹とし子を死の淵まで追い込んだ事件や賢治の同性愛的な友情を解き明かしつつ、「春と修羅」、「マサニエロ」、「永訣の朝」に込められた賢治の思いとは何か、さらに「銀河鉄道の夜」に込められた「ケンタウルス」や「ジョバンニの切符」の意味を探っていく。賢治の童話や詩は決して分かりやすいものではないと思う。それは詩ではなく「心象スケッチ」であって、そもそも読む人に何かを伝えようという意図があるものではないのだ。「銀河鉄道の夜」など賢治作品は大昔読んだが、再読すると新たな発見がありそうだ。


●「ピアニストだって冒険する」 (中村紘子著、新潮社)

ピアニストで文筆家だった中村紘子さんが、「新潮45」と「音楽の友」に、亡くなる直前まで書き続けたエッセイをまとめた本である。3歳ではじまったレッスンから晩年までの、ピアニスト人生の軌跡、国際コンクールの審査員という立場から見た現在の音楽事情の光と影、日本の音楽家にまつわる様々な問題、そして自身の恩師や幅広い交遊関係など、少し辛口の内容も含めて、興味深い話も多く、長年第一線で活躍してきた中村さんならではの書きぶりで綴られている。実は中村さんの演奏はあまり聴いていなかったが、今になって、もっと聴いておけば良かったと後悔している。聴く機会はいくらでもあったのに...


●「地図にない駅」 (牛山隆信監修、宝島社新書)

正規の駅ではない「駅」についての本である。運転上の都合で設けられていて客扱いを原則しない「信号場」、一定の期間だけ開設される「臨時駅」、地元の利用の便のために設けられた「仮乗降場」が該当する。単線区間での行き違いなど、駅でないところで停まることがあるのは、そこが信号場だからだ。イベントなどがある時だけの「臨時駅」なら前向きでよいが、冬季は乗降客ゼロなので「臨時駅」に格下げされた駅もある。北海道は「仮乗降場」が多く、国鉄からJRになって正規の駅になったのも多いが、結局路線自体が廃止になったりしている。存在すら知られていないことも多いこれらの「駅」も、知れば知るほど発見がある。
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