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2017年07月08日21:50

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【音楽】 ラスベート交響楽団演奏会@船堀

ここのところ平日は精神的疲労が大きい、というのが最近の日記の枕詞のようになっているが、ついに精神的どころか身体的にも来てしまった。2日続けてストレスによる嘔吐があり、木曜日は半ば強引に休みを取った。これで回復はしたが、昨日の金曜日は結局同じように23:00近くまで会社にいた。こんなのが続いたらよくなる訳がないが、休日はそんなことは忘れて気持ちを切り換えることにしている。好きな音楽でも聴いて過ごしたい。

という訳で、前置きが長くなったが、今日はコンサートに行った。ラスベート交響楽団の定期演奏会である。ラスベート交響楽団の演奏会に行くのは2回目だ。楽団名にロシア語名を付けていることからも察せられるように、ロシア音楽中心のアマチュア・オーケストラで、中でもグラズノフを積極的に取り上げている。たまたま行った前回の演奏会が良かったので、今回も行くことにした。

今日のプログラムは次のとおりである。

  ・リャードフ: ポロネーズ「プーシキンの思い出に」
  ・シベリウス: 交響曲第3番
  ・グラズノフ: 交響曲第8番

   指揮:小久保大輔
   会場:タワーホール船堀 (13:30開演)


開演時間になりオーケストラのメンバーがそろったと思いきや、ヴァイオリンが1人来ていない。来る気配がないので、第1ヴァイオリン奏者の席順を少しずらし、指揮者も登場して、そのまま1曲目のリャードフのポロネーズが始まった。前回も思ったのだが、プログラム1曲目の短めの曲の演奏が、素晴らしい。まずは肩慣らし、という感じではなく、しっかりとしたバランスとテンポで、じっくりと聴かせてくれた。このリャードフのポロネーズは「プーシキンの思い出に」という副題が付いているが、実はリャードフとプーシキンの接点はなかったらしい。このポロネーズは、あまりにもチャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズに似ているが、「エフゲニー・オネーギン」はプーシキンの散文詩が原作となっている。要はそういう間接的なつながりであったのだ。プログラムの解説を読んで初めて納得した。中間部はリャードフらしい美しい旋律もあるが、やはりチャイコフスキーの作品とダブって聞こえてしまう。

2曲目はシベリウスの第3番だ。第2番までの作風から第4番以降の作風への転換期の作品ともいえ、7つの交響曲の中では地味な方なのかもしれないが、私は好きである。演奏もきっちりとまとまっていたように思う。演奏上の細かい瑕疵が全くなかったとは言わないが、全く気にならず、シベリウスの作品自体に浸ることが出来るのである。この曲は第2楽章の独特の雰囲気が好きなのだが、フルートもいい感じで鳴り響いていた。決して派手に盛り上がる曲ではないが、前述のような精神的状態の中で聴くには、心穏やかな気分になれるこのような曲の方がいい。そして、そう感じさせてくれる好演であった。(入りが遅れたヴァイオリンは、この曲の第2楽章から加わった。)

休憩のあとは本日のメインプログラムであるグラズノフの第8番だ。グラズノフがメインのオケというだけあって、これは気持ちが入っていたことであろう。この曲を初めて聴いたのは、ネーメ・ヤルヴィ指揮によるCDだが、第1楽章冒頭ですっかり魅入られてしまった。(宇宙への旅立ちの映画のオープニング(?)のようにも聞こえた。) ただ、全体を通して聴くと、なかなか複雑だなと思ったのである。

第8番を生演奏で聴くのは初めてだが、改めてじっくりと聴いてみると、冒頭の「宇宙への旅立ち」(?)は、ややオーバーで、もっと穏やかな雰囲気だと感じ、そのあとの展開もなかなか面白く聴くことが出来た。グラズノフの交響曲全般に言えることだと思うが、決して派手にはならず、かと言って地味過ぎることもなく、メロディーも甘すぎず辛すぎず、ほどよい幸福感が得られる音楽なのである。その集大成が第8番だ。これは演奏によっては退屈なものになってしまう可能性があるが、そうならずにいい気分で演奏に浸ることが出来たのは、やはり好演であったからだといえるだろう。

最後に指揮者の小久保さんが舞台でプログラムの解説。チャイコフスキーを尊敬するあまり、作品も似てしまったリャードフ、初期の作品はチャイコフスキーの影響を受けながらも、次第に自分の音楽を確立した、同い年のシベリウスとグラズノフの、いわばチャイコフスキー影響から脱した作品。それが今日のプログラムという訳だ。(そういえば、前回は「3つながり」だった。プログラムにもきちんと意図があるようだ。)

そんな訳で、アンコール演奏はチャイコフスキーの作品。「知らない曲ばかりで退屈だった人もいるかもしれないので」ということで(私はそんなことなかったが)、「眠りの森の美女」からワルツを軽やかに演奏して、今日の演奏会を締めくくった。

まだ2回聴いただけだが、このアマオケは、ガンガン突っ走る演奏や、派手なパフォーマンスはしない。むしろ、いくぶん抑え目にしながら、要所をきっちりと表現して、全体のバランスを最適に持っていくような演奏をする印象を持った。これはまさにグラズノフの交響曲に適した演奏といえるだろう。

次回の演奏会ももちろんグラズノフを取り上げるとのことで、交響曲第7番だそうだ。これも楽しみである。良い気分で会場を出たら、外は暑い夏の日差しだが、駅が近いのでありがたい。
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