mixiユーザー(id:12784286)

2017年05月13日18:25

833 view

【演劇】 川崎郷土・市民劇 「南武線誕生物語」

今日は一日中雨降りであったが、地元で公演される川崎郷土・市民劇を観に行った。この市民劇は今回が第6回になるそうだが、観るのは初めてだ。そもそも芝居を観ること自体が実に久しぶりだ。

 「南武線誕生物語」
  作:小川信夫
  演出:板倉哲
  制作:関昭三
  音楽:川崎絵都夫
  会場:多摩市民館ホール (13:30開演)

フォト

今年はJR南武線の前身である南武鉄道が開通して90周年の年であり、川崎市をはじめ南武線沿線では地味に盛り上がっているが、今回の市民劇「南武線誕生物語」もその一環である。会場の多摩市民館ホールは、多摩区役所ビルの2階であり、自宅からも徒歩15分だ。

フォト

今日が初日であり、この多摩区で2回、中原区で3回の公演となっている。雨天だし出足はどうかなと思っていたら、会場はほぼ満席であった。早めに(といっても開演15分前だが)着いてよかった。

開演5分前の合図は「川崎市歌」のメロディーである。開通90周年を機に、南武線川崎駅の発車メロディーにもなっているが、その発メロをそのまま使っている。毎日川崎駅で聞いているのをここでも聞くとは。

この劇のテーマソングでもある「輝く大空」(小川信夫作詞/川崎絵都夫作曲)とともに幕が開いた。(この歌の楽譜がプログラムに載っていて、数分前に初めて見たばかりだが、メロディーが分かりやすい。) 劇は途中休憩を15分はさんで2時間30分であるが、長さを感じさせない、素晴らしい芝居だった。

内容は、南武鉄道をめぐる2人の男、橘樹郡御幸村議員の秋元喜四郎、浅野財閥総帥の浅野総一郎の、南武鉄道開通にかける夢と葛藤を描いたものである。「アミガサ事件」として知られる、多摩川築堤譜願から物語は始まる。多摩川の洪水に悩まされた御幸村の人々にとって築堤は是非とも実現してほしいものだった。しかし、ようやく築堤工事が認可されるや、それで利を得るのは対岸の東京側ばかりで、砂利運搬の利益も全部あちら側だ。ここで、秋元は橘樹郡にも砂利鉄道を建設しようと決心し、発起人を募る。工事の認可も受け、南武鉄道株式会社を設立して事務所を構えた。しかし、思うように資金が集まらず、このままでは鉄道建設は夢と消えてしまう。

一方、南武鉄道建設に関心を持ち、出資を申し出る浅野。しかし、秋元は浅野の石灰石工場の粉塵に悩まされ、埋め立てにより仕事を奪われた農民や漁民の先頭に立ち、浅野と闘ってきたこともあり、その申し出を断る。「南武鉄道を完成させるためには浅野と手を組むしかない」という周囲の声、秋元の全財産を投げ打ってでもともに支えようとする妻のふじ。頑なな秋元に再び会見を求める浅野。ついに秋元と浅野は握手をした。(この瞬間が劇のクライマックス。思わずウルッときてしまった。客席からは拍手もあった。) そして昭和2年、南武鉄道はまずは川崎−登戸が開通、昭和5年には立川まで全通するのである。

最後は客先の手拍子も入った「輝く大空」を歌いながら幕がおりた。


劇中のセリフ、「橘樹、生田、稲田あたりまでが一つの都市になって、南武鉄道がその大動脈になる」、「南武鉄道沿線は、日本の工業を支えるへそになる」など、実際にそうなった訳だが、演劇としての創作はあるにしても、やはりそういう視点はあったのだろうと思う。戦時中は「重要路線」として国有化されて国鉄南武線になったのもその証しだ。それが国鉄民営化でJR南武線となっているのだが、国鉄時代はお古の車両が回ってくる路線で、古くて汚いというイメージもあったが、今は新型車両が投入されて、すっかり従来のイメージを払拭した(と思う)。

川崎市民以外には受けないかもしれないが、逆に川崎市民には馴染みの深い南武線をテーマにした芝居であり、今日は十分に楽しめた。たまには観劇もいいものだ。
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年05月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031