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2017年03月05日19:58

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【音楽】 オーケストラ・ナデージダ演奏会 〜コックとストラヴィンスキー

まだ左足の腫れが完全には引いていないが、だいぶ歩けるようになったので、今日はコンサートに行った。オーケストラ・ナデージダの第16回演奏会である。

京王稲田堤から船堀まで約1時間。船堀駅前にある高いタワーが目印だ。今日は早めに着いたのでタワーの展望台に初めて登ってみた。7階までエレベータで行き、ここで展望台直通のエレベータに乗り換える。7階は地上27mだが、展望台は地上103mで、展望台からは江戸川区内のほぼ全域が見渡せる。晴れていれば遠くの山々も見えるはずだが、今日は雲が多い。ほぼ真西に東京スカイツリーが見える。しばらく展望台にいて、開場時刻になったのでホールのある5階に向かう。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・エルランド・フォン・コック: 交響曲第2番「ダーラナ交響曲」
 ・イーゴリ・ストラヴィンスキー: 交響曲第1番

    指揮:渡辺新
    会場:タワーホール船堀 (13:30 開演)


このオーケストラは、ロシアや北欧の作曲家の作品を中心に演奏するアマチュア・オーケストラで、あまり演奏されないが実は素敵な曲だという作品を取り上げて、その魅力を伝える活動をしている。私が好んで聴く作品とも合致しているため、ほぼ毎回聴きに行っている。

1曲目はエルランド・フォン・コックの交響曲第2番だ。まさかこの曲を日本国内で生で聴ける機会があるとは思わなかったので、今日は絶対に外せない演奏会であった。一般的なクラシック音楽ファンにとっては、「コック? 誰それ?」だろう。1910年生まれ2009年歿のスウェーデンの作曲家で、父ジーグルド・フォン・コックも同じく作曲家であった。「いつの時代であっても、メロディーは音楽の命であり魂だ」というとおり、スウェーデン民謡をベースにした耳に馴染みやすい音楽を基本としている。今回演奏される交響曲第2番もまさにそういう作品で、ダーラナ地方の民謡の旋律を取り入れている。第1楽章で奏でられる主題の旋律は一度聴いたら忘れない。

冒頭は重々しい低弦の序奏で始まり、オーボエによる主題のメロディーが奏でられると、もう完全にこの曲に入り込む。なかなかいい感じである。軽快な第2楽章、そしてホルンのソロによる牧歌風のメロディーに導かれ、美しい音楽が展開する第3楽章。この第3楽章は、どこかで聴いたような気がするメロディーだが、スウェーデンの作曲家の音楽をいろいろ聴いていると、そう感じるのだろう。このまま第4楽章まで良い雰囲気で進み、冒頭の主題も再現されてきれいに終わった。何よりもこの曲を生で聴くことが出来たというのが貴重なことだと思うが、なかなかの好演でよかったと思う。

休憩のあとはストラヴィンスキーの交響曲第1番だ。ストラヴィンスキーといえば、「火の鳥」、「ペトルーシュカ」、「春の祭典」のバレエ作品が真っ先に思い浮かぶが、交響曲第1番となると、「どんな作品なんだ? 聴いたことないぞ」という人が多いだろう。ストラヴィンスキーの作品1であり、実際初めて聴いた時は、これが本当にストラヴィンスキーの作品なのかと思えるくらい、前述のバレエ音楽とは雰囲気が違って驚いた。とはいっても決してつまらない作品ではなく、先人の作品の影響を受けて古典的な構成を取りつつも、なかなかの佳作であると思った。まさか、この曲を生で聴く機会があろうとは思わなかった、というのは前半のコックの交響曲と同じである。ただ、ストラヴィンスキーという作曲家自体はコックほどマイナーではないので、演奏される機会はいくぶんあるだろうが、素晴らしいバレエ音楽があるのに、わざわざ若書きの交響曲を演奏しなくても、というのはあると思う。

力強く始まるカッコイイ冒頭部分で波に乗り、良い感じで第1楽章を終えると、軽快な第2楽章、牧歌的雰囲気と、美しいメロディーの第3楽章を経て、第4楽章で盛り上げて終わる。これも好演であった。滅多に聴けない作品をじっくりと味わうことが出来た。

このあとアンコール演奏があり、ラフマニノフの歌劇「アレコ」から1曲、「男たちの踊り」を演奏した。「アレコ」自体を全く聴いたことがないのだが、これもなかなか力強い曲で楽しめた。

今日も素敵な演奏会だった。ただ、コックもストラヴィンスキーも楽章間に拍手が客席の一部から入るのが気になった。これは前回の演奏会でも同じだった。「江戸川区民は無料」、「65歳以上は無料」となっているので、これによって、普段クラシックのコンサートにあまり行かない人々が混じっていたのではないか。おそらく全く初めて聴く作品に戸惑っていたのだろうが、音楽の流れを切ったり、余韻を破ることになるので、拍手はタイミングに気を付けてほしいものだ。

演奏は良かったし、楽しめたことは間違いないので、余計な愚痴はやめておこう。演奏される機会は少ないのに聴くと良い作品というのはたくさんある。今日はそれらが聴けたという意味でも貴重な演奏会だった。
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