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2017年02月16日20:19

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘録。

●「鉄道で楽しむアジアの旅」 (谷川一巳著、平凡社新書)

 夜行列車やごった返すプラットフォームなど、日本ではほぼ失われた「昭和の鉄道風景」も、アジア各国に行くと、タイムスリップしたかのように、まさにそこにある。もちろん各国の事情はあるが、どこか懐かしいような鉄道風景に出会えるという。日本の鉄道は時刻も正確で、技術も世界一といわれているが、何から何まで良いという訳ではない。たとえば、新幹線開通と引き換えに在来線を切り捨てる国は他にない。アジア(に限らずヨーロッパでも)の高速鉄道開通は、選択肢が一つ増えたに過ぎず、在来線もかえって活性化する。日本の車両の中古がアジア各国で活躍しているが、まだ使える車両をなぜ簡単に捨てるのかという疑問もあるという。いろいろあるが、時間に余裕が出来たら、アジア各国の鉄道旅行をしたいなと思う。


●「バイオリニストは弾いてない」 (鶴我裕子著、河出書房新社)
  
 元N響ヴァイオリン奏者による、軽めのエッセイ集。N響を定年退職後は人前でヴァイオリンは弾いていないようで、これがタイトルである。芸大時代、N響時代の話などを軽妙な文章で綴る。ヴァイオリンを始めたのも遅かったのに、なぜか幸運が転機のたびにめぐってきて、幸せな人生を送ってきたようだ。一方で、「おつるの相談室」では、音楽家を目指す若い人への厳しい助言もあって、なかなか痛快。昔のN響は個性的なつわものが多かったが、今は「普通の人」ばかりで、演奏も個々の技量は上がったが、音楽としては昔よりつまらなくなったという話も。ちょっと気分転換に面白い本。


●「日本列島100万年史」 (山崎春雄/久保純子著、講談社ブルーバックス)

 1500万年前、ユーラシア大陸から分かれて生まれた日本列島。その日本列島の風景を形作る複雑な地形が、100万年前以降(第四紀後半)、どのように出来上がっていったかを詳細に解き明かす本である。北海道から九州まで、地域毎の特徴ある地形の成り立ちは、まさに壮大なドラマのよう。なぜ日本列島は弓型をしているのか、なぜそこに山があってそこに平野があるのか、こうやって詳しく見てみると、とても興味深いものである。理科系の本としては珍しくベストセラーになっているらしい。


●「上野アンダーグラウンド」 (本橋信宏著、駒草出版)

 北の玄関口である上野駅。広大な上野公園があり、芸大があり、文化会館があり、美術館や博物館や動物園がある。しかし、上野はそれだけではない。「アンダーグラウンド」とタイトルにあるように、この本の内容は文化や芸術の話ではない。いわゆる風俗の世界、中国エステのあやしげな店が並ぶあのビル、男色の街といわれるあのあたり、アメ横の裏側の表情、路上の似顔絵描き、パチンコ村、キムチ横丁、そして上野にまつわる事件。そんなところにスポットを当てた本である。上野には清濁混じり何でもある。そして、なぜか人々は上野に引き寄せられていく。そこでは様々な人間関係が輻輳するのである。


●「すし 天ぷら 蕎麦 うなぎ」 (飯野亮一著、ちくま学芸文庫)

 すし、天ぷら、蕎麦、うなぎのいずれも食べたことのない日本人はいないと言ってよい。「江戸四大名物食の誕生」の副題のとおり、これらが江戸時代にどのように生まれて発展し、庶民の食として定着していったかを、豊富な史料に基づき解き明かしていく本である。いずれも、江戸時代にほぼ現在我々が食するような形になっていったものである。江戸の人々の食として定着していくと、工夫を凝らして他の店との差異化を追求する店が競い合ったりして、さらに発展していく。「グルメ本」や「ランキング本」に相当するようなものまで出てきて面白い。食に関する深い本である。
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