今日は立春で、暦の上では春になったことだし、春っぽい音楽でも聴きたいなと思った。春っぽい曲だったかどうかは別にして、今日もコンサートに行った。新日本フィルハーモニー交響楽団のアフターヌーンコンサートだ。
今日のプログラムは次のとおりである。
・メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲
・チャイコフスキー: 交響曲第4番
指揮: ユッカ=ペッカ・サラステ/ヴァイオリン: レイ・チェン
会場: すみだトリフォニー (14:00開演)
錦糸町駅をおり、スカイツリーを眺めつつすみだトリフォニーに向かい、チケットを購入して、大ホールに入る。コンサートで未知だった作品に出会うことや、CDでしか聴いたことのない曲を生で聴くのは楽しいが、何度も聴いていて馴染んでいる曲でも、もちろん大いに楽しめる。特に良い演奏だと、その楽しさは一層大きくなる。
1曲目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調だ。ヴァイオリン協奏曲の代表のような作品だが、それだけ演奏される価値はある曲ということであろう。ヴァイオリンソロは、台湾出身の若いレイ・チェンで、今回初めて演奏を聴く。長い序奏もなく、もったいぶった導入部もなく、いきなりヴァイオリンソロが主題を奏でる。こういうのはいかにも裕福なお坊ちゃま作曲家らしいと、どこかで見た記憶があるが、それはまあどうでもよく、演奏自体を楽しもう。レイ・チェンのヴァイオリンはオケとの息もぴったり合っていて、随所の見せ場では存在感を示し、素晴らしい演奏であった。レイ・チェンは1989年生まれらしいので、まだ27歳か28歳だが、ただものではない感じがした。冒頭に書いた春らしい作品を聴きたいというのは、このメンデルスゾーンのつもりだったが、単なる春らしい心地よい音楽ではなく、ヴァイオリン協奏曲としての魅力を再発見させてくれたような演奏であった。
盛大な拍手のあと、日本語で「ありがとうございました」と挨拶して、アンコール演奏を披露。パガニーニのカプリース第21番で圧巻の演奏を聴かせてくれると、さらにもう1曲、J.S,バッハの無伴奏パルティータ第3番からガヴォットを、今度はしっとりとした演奏で聴かせてくれた。このまま何曲でもアンコール演奏しそうな雰囲気だったが、そこはきちんと区切って休憩に入る。
休憩のあとはチャイコフスキーの4番だ。サラステの棒が振り下ろされ、冒頭のファンファーレが始まると、これは素晴らしい演奏になると確信した。最初のところでビシッと決めると、美しい弦楽による主題がはじまり、そのままいい流れで最後まで行った。第2楽章のオーボエも素晴らしく、聴いていて気持ちがよい。第3楽章を経てそのまま切れ目なく第4楽章に突入して大爆発。力強い音で盛り上げて、熱狂的なフィナーレを迎えた。これは素晴らしい演奏であった。感動の名演だ。今まで聴いたチャイコフスキーの4番の中でも最高かもしれない。こういう演奏に出会えるから、よく知っている(はずの)曲のプログラムでも、演奏会に行きたくなるのだ。
盛大な拍手の中、まさかのアンコール演奏。今日はソリストが2曲もアンコールを弾いたから、オーケストラのアンコールはないなと思っていたら、なんとシベリウスの「悲しきワルツ」を演奏した。フィンランド出身のサラステによるシベリウスだ。悲しくも美しいこの名曲を、これまた素晴らしい演奏で聴かせてくれて、最後の最後まで素晴らしい演奏会だった。
会場ロビーでは、言問団子、長命寺桜餅、志゙満ん草餅など墨田区銘品名店会によるお菓子の販売コーナーがあった。こんなところは下町の墨田区っぽい。志゙満ん草餅をお土産に買って帰った。明日のおやつにしよう。
今日は素晴らしい演奏会で、素敵な週末となった。
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