東京交響楽団の演奏会に行ってきた。
東京交響楽団は川崎市民にとっては地元のオケである。本拠地のミューザ川崎も復活し、おまけに私自身の勤務地も2週間前からミューザ川崎のすぐ隣りに移ったので、いよいよ身近になった。そんな訳で、久しぶりに聴きにいきたくなったのである。以前聴いたショスタコーヴィチ10番の演奏があまりに素晴らしかったウルバンスキの指揮を、もう一度聴きに行きたかったというのもある。
◎本日のプログラム
・ペンデレツキ:広島の犠牲者に捧げる哀歌
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番
・ブラームス:交響曲第2番
指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
ピアノ:フセイン・セルメット
(於ミューザ川崎 18:00〜)
演奏はペンデレツキの曲から始まった。この曲はペンデレツキの自作自演(指揮)によるCDを持っているが、よく分からない曲だと思った。だいたいタイトルがいけない。「どこが広島の犠牲者への哀歌なんだ?」と思ってしまう。
しかし、どうやらもともと広島の犠牲者のために作った曲ではないらしい。「8分37秒」というタイトルだったが、日本初演の際にこのタイトルに変更されたという。なんだかなあという感じだが、タイトルは忘れて聴くことにする。もちろん生で聴くのは初めてだ。
ポーランド出身のウルバンスキにとっては「自国もの」の作品だ。この曲の時だけは指揮棒を使わず、身振り手振りでパントマイムを演じているかのような指揮だったが、なるほどその手の動きでああいう音になるのかと、妙に感心したりした。CDでは分かりにくいところも、「ここはこうやって鳴らしていたのか」等、視覚的要素の助けもあって、それなりに楽しめた。(「好きな曲」に上がることはないだろうけど。)
2曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲第18番だ。
モーツァルトを生で聴いたことは実はあまり多くない。たまたま聴きたい曲といっしょにプログラムに入っていたというケースがほとんどであり、今回もそうである。18番は、これもCDを持っている(ハイドシェックのピアノ)が、あまり頻繁には聴いていないので、どんな曲かも忘れかけていたが、生で初めて聴いて「あれ、こんなに素敵な曲だったんだ」と再発見した次第である。特に第2楽章が良い。
演奏はややゆったりとしたテンポで始まる。若い指揮者らしからぬ(?)、優雅で緩やかな演奏だ。ピアニストのセルメットはよく知らないが、風格のあるモーツァルトという感じで、好感が持てた。
この後はピアノソロによるアンコール。曲目はエルキンの「小さな羊飼い」だ。全く知らない初めて聴く曲だ。モーツァルトでも弾くのかと思ったら、全然違う雰囲気の曲ったが、ちょっと面白い曲だと感じた。
休憩のあとは、ブラームスの2番。これが個人的な本日のメインプログラムである。ペンデレツキとモーツァルトだけだったらおそらく行かないだろう。
優雅なブラームスという感じで、ウルバンスキの素晴らしい指揮ぶりがうかがえたが、残念ながらホルンをはじめ金管にちょっと乱れがあった。ブラームスでホルンがまずいと致命的だ。非常に期待して行っただけに、やや残念である。総合的には良い演奏だったとは思うが。
聴く前の個人的好み、したがって期待度としては、ペンデレツキ < モーツァルト < ブラームス、だったが、聴いた後の感想としては完全に順番が逆転して、ペンデレツキ > モーツァルト > ブラームス、となってしまった。
ブラームスは好きな作曲家の不動の第一位であり、それゆえちょっとした難も気になるというのもあると思う。滅多に聴かない曲も生で聴いたら新たな発見があって面白い、というのもあると思う。
しかし、総合的に見て満足の演奏会だったことは確かである。
余談だが、東京交響楽団は、ヴァイオリン、ヴィオラは圧倒的に女性奏者が多い。コントラバスや管楽器は圧倒的に男性奏者が多い。このアンバランスな(?)構成が、もしかしたら絶妙な雰囲気を出しているのかも?
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