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2013年03月17日21:28

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【音楽】 アイノラ交響楽団定演 (シベリウス)

アイノラ交響楽団の定期演奏会に行ってきた。

このオケは、シベリウスの作品を演奏するために結成された東京のアマオケで、今回が10回目の定期演奏会になる。(残念ながら全て聴きに行った訳ではない。)

本日のプログラムは次のとおりである。
・シベリウス:「テンペスト」第2組曲
・シベリウス:交響曲第7番
・シベリウス:組曲「ベルシャザール王の饗宴」
・シベリウス:孤独なシュプール
・シベリウス:交響詩「タピオラ」

  指揮:新田ユリ/朗読:ハンス・カールソン
  会場:杉並公会堂 大ホール

今日はなかなか渋いプログラムである。あまり一般受けしないかもしれないが、シベリウス好きには、もちろん魅力的なプログラムである。私も交響曲第7番が好きになるまでには結構時間がかかった。クラシック音楽を聴き始めの頃は、第1番や第2番ばかり聴いていて、なかなか後半の番号の交響曲には行かなかったが、のちにようやく5番や7番が好きになってきたのである。

その交響曲第7番を含む、シベリウスがたどり着いた究極の作品が、今日のプログラムという訳だ。

「テンペスト」はシェークスピアの劇のための音楽で、それを2つの組曲に編曲したうちの「第2組曲」から今日の演奏会がはじまる。この曲に限らず「組曲」は、自宅では全体を流して聴くことが多く、1曲ずつを噛みしめて聴くことが少ないなと今さらながら気付いたが、生演奏で聴くと1曲ずつをじっくりと味わえる。幻想的で穏やかな曲が続き、隣りの席の年配の方は早々に居眠りをはじめてしまったが(笑)、もちろん私はしっかり聴いて楽しんだ。改めて聴くと、各曲の情景がよく浮かぶ。3曲目の「ナイアード(水の精)の踊り」や7曲目の「ミランダ」あたりが特に好きだが、7曲目は最近生でも聴いた記憶があるなと思ったら、前回のアイノラ交響楽団定演のアンコールで聴いていた。

続いて交響曲第7番だ。シベリウスが到達した究極の交響曲作品と言われるが、個人的にもシベリウスの作品の中でも特に好きな曲に入る。プログラムの言葉を借りると、「母なる国の厳しくも美しい自然の姿」、「人間が希望の光明を求めて祈念する心」、「季節や時の移ろい」、「生命の輝きと喜び」が凝縮された作品なのである。

マイミクの「軍曹さん」のトロンボーンもきちんと決まり、この曲を十分に堪能することが出来たと思う。(トロンボーンがこけると全てが台無しになるが、そんな心配は無用だった。)

さて、休憩のあとは「ベルシャザール王の饗宴」組曲。これも劇音楽の組曲だが、これまた面白いものである。オリエンタルな行進曲で始まり、次はヴィオラとチェロによる「孤独」な望郷の歌。そして、3曲目の「夜曲」が素晴らしい。フルートソロが美しくも哀しいメロディーを奏でる曲だが、フルートを吹いている様子が本当に気持ち良さそうだ。(自分も以前フルートを吹いていたことがあるので、フルートソロには注目してしまう。)

次は「孤独なシュプール」だが、まさかこの曲を生で聴く機会があるとは思わなかった。グリペンベリによるスウェーデン語の詩の朗読と弦楽合奏+ハープによる音楽から成る3分ほどの短い曲だが、しみじみと静けさと寂しさと穏やかさが伝わってくる作品なのである。詩の朗読はスウェーデン人のカールソンという方で、音楽と融け合って非常に良い雰囲気を作り出していた。これが聴けただけでも今日の演奏会は収穫有りだ。

最後は、シベリウス最後の管弦楽作品となった交響詩「タピオラ」である。フィンランドの民俗叙情詩「カレヴァラ」に由来する森の神の住む所、すなわちフィンランドの森そのものを表した曲なのである。フィンランドは国土の多くが森林地帯であるが、我が国日本も同様で、森の神秘的な雰囲気はどこか通じるところがあるのかもしれない。聴きながらそんな気がしてきた。

アンコール曲は今回も、アイノラ交響楽団の定演でお馴染みの「アンダンテ・フェスティーヴォ」であった。

今日は演奏も良かった。シベリウスに思い入れの強い人たちが集まってシベリウスを専門に演奏しているオケなんだから、そこは安心して聴ける。余計な「脳内修正」をほとんどしなくても、作品そのものに浸ることが出来た。

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