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2026年06月12日09:02

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「ヴィヴァルディと私」

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18世紀初頭、作曲家ヴィヴァルディがベネチアのピエタ院にバイオリン教師として赴任した実話を題材に、彼の指導のもと才能を開花させていく孤独な少女チェチリアの成長と、己の才能が評価されることを渇望するヴィヴァルディの内なる野望を描いたドラマ。

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ピエタ養育院では女の孤児を養育し、読み書き音楽を教え、ミサでの演奏をさせ、年頃になると貴族や金持ちの商人の妻として売りつけていた。
立派な人身売買であるが、それが「慈善」という隠れ蓑の元に行われていた。
美しい少女チェチリアはヴァイオリンの卓越した才能を持ち、音楽指導者として赴任してきた若きヴィヴァルディと心を通わせるようになるのです。

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何と言っても映像が美しい。
中世の水の都ベネツィアの街並み、石造りのピエタ寺院の中、レンブラントの絵画のようです。
しかし、繊細なチェチリアの心情が今一つ分かりにくい。

以前、「ピエタ」(大島真寿美)という小説を読みました。
本屋大賞の候補となり話題になった作品、やはりピエタ寺院が舞台であり、孤児の女性とヴィヴァルディが出てくるのです。
水の都で織りなされる、水彩画のような美しい物語とは思いましたが、生活臭やドロドロした感情の絡みがなさすぎて、やや物足りませんでした。
それと同じような思いを、この映画でも感じたのです。
ところが、ラストでそれが一変しました。
マイナーな作品ですのでネタバレします。
これからご覧になる方はお気をつけ下さい。

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処女検査を受けてヴァージンでなかったことがバレたチェチリアは独房に閉じ込められたり、結婚する筈であった将校から酷い虐待を受けたりするのですが、最後に院から抜け出すのです。
そしてラスト、彼女が小舟に乗って何処かに行くシーンで幕は閉じます。
ところが、その小舟に乗っている他の人々は、ボロボロの風体の浮浪者、或いは老人、身を持ち崩したような女たちばかり。
とても希望に満ちた船出とは見えない。
世間知らずのチェチリアがピエタ院を抜け出た所で、生活する手段もなく、この先どうなるのか分からない。
ヴァイオリンの手腕は持っているが、楽器も持たず、それを活かせる場所は与えられるのか?
それでも彼女は、“自分の人生を自分で選ぶ”ことを、痛みを伴う解放を選んだのであろうと。
見事なラストシーンでした。

ちなみにエンドロールによると、ヴィバルディは生涯貧しく、死後200年間無名で、あの「四季」が脚光を浴びたのは1951年だったのだそうです。

「ピエタ」の感想文 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985461942&owner_id=547825&from=list_diary_search
「ヴィバルディと私」公式HP https://vivaldi.ayapro.ne.jp/
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