”メキシコで暮らす60歳のチリ人男性マルティネス。偏屈で人間嫌いな彼は、会計事務所での仕事やプールでの水泳といった日々のルーティンを決して崩さない。しかしある日、会社から退職をほのめかされ、後任のパブロがやって来たことで、彼の規律的な日常は揺らぎ始める。時を同じくして、マルティネスのアパートの隣人である同年代の女性アマリアが、部屋で孤独死していたことが判明。アマリアの私物の中に自分宛の贈り物が残されていたことを知ったマルティネスは、彼女に興味を抱くようになる。遺された日記や手紙、写真を通して彼女への思いを募らせていくうちに、マルティネスは心の奥深くに眠っていた人生への好奇心を取り戻していく”〜映画comより
ストーリー自体には幾分、疑問があります。
階下の住人アマリアは、死後半年以上たって発見されたとの設定。
その間、部屋から匂いが漏れないってあり得ないし、いわんやその後マルティネスが彼女の部屋の置物やらクッションやら沢山の遺品を、自宅に持ち帰るなんてあり得ない。
遺品整理屋の本や新聞記事によれば、部屋中に物凄い匂いが染みついてどんなに消毒しても取れない位だというのに。
という細かな点を除けば、それまで頑なに自分の殻に閉じこもっていた偏屈老人のマルティネスが少しずつ変わっていく様は、微笑ましいものがありましたが…
人事部に訊かれて、パブロのことをあそこまでけなしたことが許せない。
お陰でパブロは首になり、マルティネスはとりあえず首が繋がる。
しかし結局マルティネスは退職し、パブロの地元を訪ねて、初めて海を、旅行を、”友人との休日”を経験するのです。
マルティネスはパブロに本当のことを言ったのか!?
本作はコロナ禍において製作が始まったのだそうです。
人と人との繋がりが分断され、触れ合いが持てなかった時代の、孤独への恐怖、人と触れ合いたいとの思いはしみじみと実感できます。
なので、孤独をも恐れなかった当初のマルティネスが不器用に変わっていく様には好感が持てるのですが、それならもうちょっと”いい人”になって欲しかった。
陰で同僚を貶めるような”悪い人”にはなって欲しくなかった。
幾つになっても人は変われるというシンプルなメッセージは、確かに伝わります。
「マルティネス」
https://culturallife.co.jp/martinez/
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