今日は錦糸町に行った。水星交響楽団の定期演奏会である。特に行く予定にはしていなかったのだが、3日前の夜にある団員からお誘いがあり、急遽行くことにしたのである。このオーケストラは今年で40周年を迎えるらしく、その記念シリーズの一環とのことだ。
本日のプログラムは次のとおりである。
・齊藤栄一:水星のかなたへ
・マーラー:交響曲第10番 (バルシャイ版)
指揮:齊藤栄一
会場:すみだトリフォニーホール (13:30 開演)
このオーケストラの常任指揮者である齋藤氏が作曲もするとは知らなかった。タイトルからも察せられるように、今回の演奏会のための委嘱作品ということで、どんな作品なのか楽しみである。マーラーはこのオーケストラの得意レパートリーだが、その集大成として第10番を演奏するという。第10番を補筆完成させたのはデリック・クックだと思っていたが、実はいろいろな版があるということもあまり知らなかったという状態であったが、今回はバルシャイ版ということで、こちらもどんな感じに出来上がっているのか楽しみだ。
齋藤の「水星のかなたへ」は、何やら騒がしく始まったなと思ったら、そのすぐあとで美しいメロディーが奏でられ、そのあともいろいろと変化しながら進んでいく。40年の思いを詰め込んだ作品ということだろうか。最後の方にEs – C – A – Es – E – A とユニゾンで鳴り響くところがあるが、これは SUISEI を意味するらしい。解説を読むとこじつけっぽいが、そんな面白さも含まれている。おそらく他の演奏会で聴く機会はほぼないと思う作品だけに、貴重な経験であったともいえる。
休憩のあとはマーラーの第10番だが、バルシャイ版というのはクック版に準拠しながらも、管楽器や打楽器を追加し、弦楽器も厚くした大編成なのが特徴ということで、そのあたりがロシア的(?)ということかもしれない。
第1楽章のアダージョは、これはマーラーが完成させた唯一の楽章で、まぎれもなくマーラーであり、これだけでも十分なのであるが、このあともじっくり聴くとなかなか面白い。長−中−短−中−長と、不思議なバランスの5楽章構成で、偶数楽章がスケルツォだが、第2楽章は変拍子の嵐で、演奏する方も聴く方も大変だが、第4楽章は雰囲気が違ったりする。第5楽章では、いきなり太鼓が炸裂したかと思うと、そのあとに出てくるフルートのソロが実に素晴らしかった。不貞妻アルマへの怒りもこの作品にあるようで、なんとなくそんな感じもするところもある。マーラーの作品は積極的に聴いている方ではない(といいつつ、演奏会では何度も聴いている気がする)し、第10番の補筆者の違いによる差異など無知に等しいが、第10番を生で全楽章を通して聴いたのは初めてで、結局は楽しめたのであった。
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